いじめによる自殺は「殺人」か? 社会の闇に切り込む「アンナチュラル」第7話

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「逃げるは恥だが役に立つ」(2016)で知られる野木亜紀子が手がける法医学ミステリー「アンナチュラル」。放送開始後、そのテンポの良さ、構成の巧みさで多くのファンを獲得している。

 物語は、架空の国立機関「不自然死究明研究所(UDIラボ)」が舞台。法医解剖医・三澄ミコト(石原さとみ)、臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、所長の神倉保夫(松重豊)ら、死因究明専門のスペシャリストたちが活躍する。ラボのメンバーでひときわ異彩を放つ、冷徹だが優秀な中堂系(井浦新)、バイトの医学生、久部六郎(窪田正孝)ら魅力的な俳優陣が揃う。

 第7話は、予備校で働くミコトの弟・秋彦(小笠原海)から紹介された高校1年の男子生徒、白井一馬(望月歩)がミコトに挑戦状を突きつけるという衝撃的な内容が描かれた。白井は「殺人者S」と名乗り、自分が殺したという遺体の死因をミコトに突き止めさせるべく、動画をライブ配信していた。UDIラボでその動画を観たミコトは、中堂の制止を振り切って、勝負に乗ることにする。それが「殺人者S」からの悲痛なSOSだったと、この時点でミコトが気づいたかは定かでない。しかしミコトはすぐに遺体が刺殺による失血死と見抜いた上で「白井くんには、きっと言ってほしい答えがある」とつぶやき、動画による遠隔診断に臨むのだった。

 UDIラボのメンバーも(所長の神倉を除き)、一丸となって協力し、捜査は進む。ラボでの日常の描写や事件解決に至るまでの人々のやり取りはコミカルかつテンポ良く演出され、最終的に描かれる結末がいっそうあざやかに、時には悲壮感にあふれて浮かび上がるようになっている。今回も、血痕の分析や道具の調達など、随所で視聴者を思わず笑わせるようなやり取りが挟まれていた。しかし、そのような「笑い」を担うのは、常にUDIラボメンバーに限られている。各回のゲストや、久部をスパイとして使っている週刊ジャーナル編集部などの面々は徹底してシリアスに描かれ、その演出のメリハリが本作独特の抜け感を生んでいる。殺人事件を扱いながらも、作品が重くなりすぎずに、視聴者が惹き付けられる理由のひとつだ。

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