脳梗塞から「アイドル」気分に? 高次脳機能障害者の知られざる世界
高次脳機能障害者は世界をどう見ているか
病院で体の不調を訴える際に困った、という経験を持つ人は少なくないだろう。
たとえば「どう痛いのか」を他人に伝えるのは事のほか難しい。自分にとっての「しくしく」が医師にとってのそれと同じかはわからないからだ。
通常の痛みなどでもそうなのだから、脳に障害を抱えた場合、いま世界がどう見えているのか、何に困っているのかを医者はもちろん、身内に伝えることも困難だ。
41歳で脳梗塞を発症し、高次脳機能障害を抱えることになった鈴木大介氏は、新著『脳は回復する』で、自身の障害・症状をルポライターとしてのノウハウを生かし、生々しく、かつユーモラスに描写している(以下、同書より抜粋・引用)。...