今度は米カジノ王が 止まらない#MeToo運動

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 止まらない欧米の#MeToo運動。今度の標的は“カジノ王”のスティーブ・ウィン氏(76)だ。

「発端は経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルの1月26日のスクープ。自身が経営するラスベガスのホテルで、そこの専属ネイリストに性交を強要したそうです」(在米記者)

 なぜそれを経済紙が? と思うところだが、彼がCEOを務めるウィン・リゾーツ社は米でも有数の大企業。ギャンブルに加えて、ショーやアトラクションなども積極的に導入し、ベガスを家族でも楽しめる街に変えたのがウィン氏なのだ。

「近年はマカオでも大成功。大阪で構想が進む統合型リゾートにも食指を動かすなど、その事業欲は世界中に及んでいます」(同)

 だが、ご多分に漏れずワンマンで、会議中に怒鳴ったり机を叩いたりは序の口。件のスクープ記事でも関係者の告発は多岐に亘る。

 もっとも、昨年トランプ氏が大統領に就任すると、大口支援者として共和党全国委員会の財務委員長に就任。名誉欲も満たしていた。

「ところが、記事が出てすぐに辞任を余儀なくされ、2月6日にはCEO退任にも追い込まれます」(同)

 本人は疑惑を否定しているが、一気に周囲が離れるのが#MeTooの怖さ。そして、会社の株価急落が最後の急所になった。

「来夏、多額の投資をしたボストン郊外のカジノリゾートが開業予定。ところが、今度の疑惑でその認可に黄信号が灯った。ウィン氏は同社の大株主として算盤を弾き、CEOを辞任したのでしょう」(同)

 実際、辞任翌日に株価は9%も上昇。さらに、ざっと300億円もの退職金を手にするという。

 ひょっとして、賭けには勝ったのか?

週刊新潮 2018年2月22日号掲載

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