“ジャズ歌手”八代亜紀、玄人筋をうならせる風格

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 歌手の八代亜紀さん(67)が、ジャズアルバム「夜のつづき」を発売(2017年10月11日)、ファンの間で静かだが大きな波紋を広げている。

 銀座の老舗レコード店担当者が言う。

「このアルバムは、八代さん初の本格的ジャズヴォーカル集『夜のアルバム』(12年発売)から5年ぶりの続編にあたります。今回も元ピチカート・ファイヴの小西康陽氏がプロデュースを担当し、売れ行きは上々です。CDもさることながら、LPレコードの人気が沸騰。ジャズにはレコードの雰囲気が合うのです。録音の良さでも注目され、完売品切れ状態」

 八代が尊敬するジャズシンガーの大御所ヘレン・メリルの代表曲「帰ってくれたら嬉しいわ」を劈頭(へきとう)(LPレコードではA面の5曲目)に、「フィーヴァー」(ペギー・リー)、「赤と青のブルース」(マリー・ラフォレ)から「男と女のお話」(日吉ミミ)、「夜が明けたら」(浅川マキ)まで、全13曲をカバーしている。

 さる大手レコード会社の洋楽担当者が言う。

「最初のジャズアルバムの好評を受けての堂々たるセカンドアルバムです。すでに13年にはニューヨークの老舗ジャズクラブ『バードランド』でライヴを開催し本場でも称賛の声が上がり、CD化されています」

 昨年は「ブルーノート東京」でもライヴを行っている。“演歌歌手”とか“ジャズシンガー”という括りでは収まらない“大歌手”の風格である。

「アルバムでオマージュを捧げた大歌手ヘレン・メリルからも賛辞を贈られたと聞きます」(同)

 八代自身は、マイナーキーの曲を好むという。悲しい歌を楽しげに歌う希代の名歌手は、既に3作目のアルバムを構想している?

週刊新潮 2018年2月22日号掲載

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