「SMAP解散がなければ、絵が人生の一部にならなかったんじゃ」――香取慎吾と横尾忠則の対談が実現

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「作家の香取慎吾です」との自己紹介で、元SMAPの香取さんが初の美術展参加を果たしたのは昨年10月のことだった。そんな香取さんと美術家の横尾忠則さんの対談がこのたび実現し、「芸術新潮」3月号に掲載される。かねてより「絵を描くのが好き」という香取さんが自作を持参して臨んだ今回、果たしてどんな言葉が交わされたのか――。81歳の横尾さんと41歳の香取さんのスペシャル対談から、その一部をご紹介しよう。

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香取 横尾さんは僕のこと、知ってますか?

横尾 どなたですか?なんて(笑)、もちろん知ってますよ。僕はけっこうミーハーなところがあって、いろいろ知ってるんです。香取さんは最近、絵のほうに転向したわけじゃなくて、もともと描いてらしたんですよね。

香取 はい。絵が好きで今までも描いてきたんですけど、自分の新しい人生の始まりに絵のお仕事を頂けている感じで、びっくりしてます。今日も、なんで僕は横尾さんにお会いできてるんだろうって。

横尾 僕も似たような経験があるんですよ。長い間グラフィックの仕事をやっていて、数え年で45のときに画家に転向したんです。動機はあったけど、魔が差してそうなっちゃったような感覚もどこかあってね。香取さんは魔が差したわけじゃないだろうけど、SMAPの解散がなければ、絵が人生の一部にならなかったんじゃないかな。僕はそんな運命論者的なところがあって、描かざるを得なくて絵を描くようになったと思っているし、人生に偶然はないと思ってるんです。香取さんが今、アートに関連するお仕事が増えているのも必然的だったと思いますよ。

香取 そうかもしれないですね。だから今日は横尾さんにいろいろお聞きしたくて。1日に何枚描くとか決めているんですか?

横尾 それはないですね。

香取 ひとつの作品を完成させるのに、どれくらいの時間をかけるのでしょうか?

横尾 時間ではちょっと計れない。小さい作品もあれば大きい作品もあるし、小さいから早く終わるわけでもないですしね。本当は毎日描かなきゃいけないんだろうけど、年齢とともにだんだん怠け者になっていって、できれば描きたくないなって(笑)。香取さんが、たくさんの作品と一緒に写っている写真をどこかで見て、うわぁ、これはすごいなと思ってました。

香取 実は僕、今日は横尾さんに会えるということで、いくつか作品を持ってきたんです。出発するときに、いったん車に乗ったんですけど、こんなチャンスめったにないと思って、もう一回家に戻って持ってきちゃいました。

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 つづく対談では、横尾さんによる香取さん作品の“講評”や、創作の心構えといったテーマが語られたほか、芸能界より怖い(?)美術の世界なんて話まで……。全文は2月24日発売の「芸術新潮」3月号をお読みください。

デイリー新潮編集部

芸術新潮 2018年2月23日掲載

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