生誕65年「テレサ・テン」の遺品が台湾で“ゴミ扱い”されている

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テレサの遺品はゴミ扱いに

「高雄の『テレサ・テン記念館』は15年9月に閉館してしまいます。建物の老朽化が原因とも、契約が切れたとも言われています。この翌月から台北で没後20年の記念展が開催されたので、そちらにも展示物が貸し出されていたようなんですけどね。しかし16年1月まで開催された記念展が終わっても、なかなか再開されませんでした」

 16年5月、台湾政府は国民党政権から、再び民進党政権に戻る のだ。

「民進党政権が発足して1年で、台湾を訪れる中国人観光客は激減します。人口2300万人の台湾ですが、例えば14年には年間400万人もの中国人が訪れていました。それが民進党になって1年で145万人に。観光収益は2600億円減少したと言われています。もちろん、台湾人も中国人のマナーの悪さから彼らを歓迎していないということもあるのですが、中国人目当てのところは辛いですからね」

 昨年7月、「テレサ・テン記念館」は「テレサ・テン音楽館」と改め、高雄市内の通称バナナ埠頭と呼ばれる港のそばにあるバナナ博物館『香蕉故事館』の中に移設された。もっとも、半年も持たずに閉鎖。その建物内に歌姫の展示物が放置されているというのだ。

「『香蕉故事館』の傍らに、彼女の胸像やポスター、壷などが転がっていますよ、まるでゴミのように」

 なぜ分かるかといえば、勝手に入ることができるから。

「今は看板すら掲げられていないので、彼女の遺品が置いてあったことも知る人はいませんけど、勝手に入れるんですよ。さすがに貴重な物は、他に移してあるそうなんですが、それにしても天下のテレサ・テンですからね。ちょっと寂しい気がします」

 現在、高雄の民間団体がテレサ・テン記念館の復活を市に働きかけているという。

「テレサ・テンのお兄さんも『数ヶ月後には再開』とおっしゃっているのですが、具体的にどこで再開するかは不明です。やはり中国人観光客の目処が立たないと難しいかもしれませんね」

 泉下で彼女は泣いている?

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週刊新潮WEB取材班

2018年2月23日掲載

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