コインチェック580億円事件が急展開、事情聴取された“怪しい日本人”

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殺人請負サービスも

 サイバーセキュリティ企業「スプラウト」の高野聖玄社長が言う。

「ダークウェブに行くには、専用のソフトウェアが必要になります。グーグルなどの一般的な検索エンジンでは引っかからない。知識がなくては、アクセスすることすら出来ない世界です」

 普段、目にしているネット情報は、海面から飛び出した氷山の一角でしかなく、例えるなら深海のような日の当たらない場所にあるのが、ダークウェブだという。

「通信の暗号技術が優れていて、匿名性が高いという特徴に目を付けた犯罪者たちが群がるようになりました。麻薬はもちろん、偽造パスポートや偽札、企業の流出情報もあれば、ハッキングや殺人の請負サービスまで、当たり前のように取引されているのです」(同)

 今回、犯人と通貨交換した男は、そんな場所に足を踏み入れることが出来る人物ということになる。盗難事件があったばかりで、しかも割引されたネムに手を出したとなれば、誰もが“怪しい”と考えよう。が、

「任意で事情を聞かれた男は興味本位だったと言っているそうで、警察も被疑者とは見ていません。犯人は足がつかない別の仮想通貨にマネーロンダリングをするため、ダークウェブを使い、男はそれに利用されただけでしょう」(別の記者)

 それよりも気がかりなのは、

「犯人がダークウェブ上にサイトを開設してから、すでに5億円分以上ものネムが口座から消えていることです。警察はサーバーやログ解析をしていますが、なにせ時間が掛かる。犯人逮捕は難しいのではないかという声も聞こえてきます」(同)

 このままだと、口座がカラっぽになるのも時間の問題か。

週刊新潮 2018年2月22日号掲載

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