安倍政権が火消しに走った「買収線香」 地元支持者も嗤う「茂木大臣」の虚偽答弁

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変なことをしなければ…

 元内閣法制局長官で弁護士の阪田雅裕氏は、

「結局、“氏名を類推させるかどうか”が一番重要なので、逆に言えば“氏名を類推させない”ことを明示しながら配らないといけませんよね。“これは党としての活動で、◎◎先生とは関係ありません”と言いつつ配るとか、そういう変なことをしなければならない。裁判所が判断するしかないですが、一般的には候補者の氏名を類推させずに政党支部として配るというのは、なかなか難しいと思いますね」

 5日、国会で大臣は、

「私でなかったのに(私が線香を渡したと)誤解をされた、ということが絶対にないとは(言えません)」

 と答弁したが、先の事務所関係者は、

「政党支部が配っているなんて茂木の弁明は嘘。国会では本人による配布を否定しましたが、それも嘘です」

 とも話す。そこで政治資金問題に明るい、上脇博之神戸学院大教授に聞くと、

「選挙区内の有権者に、線香を配る行為は、本人であれ、秘書が本人の名義で行なった場合であれ、公選法199条の2が禁じる違法な寄附になります」

 最後に、こんな声も紹介しておこう。

「新人だった僕は2006年に国対副委員長になりました。同じポストに小野寺さんもおられたんです」

 と話すのは、自民党代議士だった小野次郎氏。線香配布について罰金刑を受け、議員辞職、3年の公民権停止と辛酸を嘗めた小野寺五典防衛相の前例が極めて大きいのだ。

「国会が終わり、休みに入ろうという6月くらいに線香の話になった。小野寺さんは真剣な表情で“自分はたかだか何百円かそこらのもので問題になって、バカみたいなことになった。君らは(線香を配るのは)やめろよ!”と。私はそのことを肝に銘じていました」

 春風接人の後には秋霜自粛と続く。秋の霜のごとく厳しく自らを律す。その言葉の響きを、誰よりも知っているのは茂木大臣ではなかろうか。

週刊新潮 2018年2月15日号掲載

特集「安倍政権が火消しに走った『買収線香』 地元支持者も嗤う『茂木大臣』の虚偽答弁」より

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