日ハム・清宮幸太郎の「右手親指負傷」は数ある“古傷”の1つという不安

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フリー打撃再開は目前とはいえ……

 さぞかし日ハムファンは安堵しただろう。ドラフト1位の清宮幸太郎(18)が2月17日、“投げられた球”を相手に打撃練習を行った。新人合同自主トレで1月18日、右手親指付け根の骨挫傷と診断されたのは記憶に新しい。

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 すかさずサンケイスポーツは翌日、「日本ハムD1・清宮、“上手投げトス”30振『詰まった時の感覚が懐かしい』」と記事にした。城石打撃コーチが10メートルの距離から、清宮に向かって上手投げで投球。30スイングを振り抜いたのだ。

 だが、右手親指には緩衝材が装着されていたのは事実。そもそも骨挫傷とは骨の内部が損傷した状態だ。軽傷でないことは明らかだが、重症かどうかの報道は割れた。

 例えば「清宮右手負傷で1週間打撃制限」(1月20日付)と報じたのは日刊スポーツ。この見出しなら楽観視した読者も少なくなかっただろう。対して同日の紙面で「日本ハム・清宮幸太郎が対外試合デビュー延期も 右手親指の骨挫傷で別メニュー」と悲観的なニュアンスを強めたのは報知新聞だった。

 その報知新聞の記事には、

《12球団最速の2月10日(日本時間11日)に現地で行う韓国KTとの対外試合出場に黄信号がともった》

 とあった。ご存じの通り、日ハム1軍は2月1日から14日まで、アメリカのアリゾナ州で第1次キャンプを行った。この期間中に韓国KTとの試合が組まれ、スポーツメディアは清宮の“プロデビュー戦”を熱く注目していたのだ。

 ファンや関係者が固唾を飲む中、「清宮、守備で実戦初出場 日本ハムが練習試合」(2月10日/日本経済新聞電子版)という結果に終わった。6回に一塁を守り、7回に打順が回ると代打を送られて交代した。試合出場は歓迎すべきニュースだっただろう。しかし守備だけという起用方法は懸念や不安も強めたに違いない。

 そして今、日ハム1軍は沖縄県名護市で第2次キャンプ中だ。振り返れば日刊スポーツより報知新聞の報道が正しかったことは明白だ。清宮は依然として、本格的な打撃練習が行えていない。大手メディアは沈黙を守るが、水面下では不安視する声が高まっている。

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