「丸岡いずみ」涙の代理母出産は美談か “お金持ちのファンタジー”の指摘

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お金持ちのファンタジー

 そもそも丸岡がブレイクしたのは、日テレの報道記者時代、「ミヤネ屋」でいじられてから。その意味では、“身内”の番組は予定調和。テレビの前では、こんなに代理母出産ってバラ色だったっけ、と突っ込むムキもあったはず。事実、

「あの番組は、代理出産の問題の論じ方があまりに浅すぎて話になりません」

 と述べるのは、「代理出産を問い直す会」代表で、東京電機大学の柳原良江・助教(生命倫理)である。

「代理母は妊娠、出産と身体に大きな負担がかかります。死亡例も、子宮破裂や摘出の例もある。また、代理母が、子どもがお腹の中にいるうちに愛着がわき、自分の子として育てたくなることもありますが、そうした矛盾の説明も十分ではありません」

 同時に、丸岡自身の発言にも違和感を持ったとして、

「丸岡夫妻は代理母に会ったのは出産後と述べていましたが、同じ代理出産をした向井亜紀さんは、それ以前から何度も会って意思疎通をしていた。それに比べて非常に商業的に思えました。さらにアメリカでは代理母が子どもを産むと周囲に歓迎されるとも言っていましたが、それはごく一部の例で、アメリカでも合法なのはカリフォルニアなどだけ。国全体が歓迎しているように述べるのはミスリード。彼女の述べていることは、資力のある夫婦が代理母を依頼し、代理母も生まれた子どももたまたま健康だったという『お金持ちのファンタジー』の一例だと思います」

 と語気を強めるのである。

 こうした反対論を、丸岡サイドにぶつけてみる。

「私はずっと海外で仕事をしていたこともあり、反対の気持ちはまったくなかったですね。妻も同じです」

 とは、有村の父、すなわち丸岡の義父。

「結婚をしたら、赤ちゃんが欲しいと思うのは当然だと思います。次の世代に子孫を残していくのは、生物の基本。人間の本能。ミヤネ屋を見て、私ももらい泣きしてしまいました……」

 ともあれ、決して涙と美談だけで語られて良い問題でないことは確かである。

週刊新潮 2018年2月15日号掲載

ワイド特集「雪にかいた『告発状』」より

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