氷のベールに包まれた金メダルへの大技ジャンプ! 「羽生結弦」リハビリ内幕90日

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 まるで、氷のベールに包まれたかのように、その動静は伝わってこなかった。右足首を負傷したフィギュアスケートのエース、羽生結弦(23)はカナダのトロントで、マスコミ完全シャットアウトのリハビリ生活を送っていた。果たして、金メダルへの大技ジャンプは見られるのか。

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 平昌開幕を目前にした2月3日、羽生は「団体戦」を避け、「個人戦」だけに絞り込むことが明らかになった。

「実は、日本スケート連盟は7日に、羽生、宇野昌磨、田中刑事のうち、団体戦男子シングルに出場する2人を発表する予定でした」

 とは、スポーツ紙の記者である。

「ところが、あるメディアが、フィギュア代表選手の韓国入りする飛行機の便を割り出したのです。団体戦男子シングルは9日にSP(ショートプログラム)、12日にフリーが行われ、一方、個人戦は16日にSPで17日がフリー。羽生の韓国入りが団体戦男子シングルには間に合わないとわかり、それを突っ込まれた日本スケート連盟が渋々認めざるを得なくなったというわけです」

 しかし、羽生の団体戦回避で、治療が間に合わず、コンディションが予想以上に良くないのではとの憶測が一気に広がることにもなった。

「長い間、羽生は実戦から遠ざかっています。本来なら、団体戦は試合勘を取り戻すべく、個人戦に向けた調整のための場として利用するはずです。それなのに、団体戦に出ないのは個人戦と合わせた2回の本番を持ちこたえられるまでに右足首が回復していないから、と見られても仕方がありません」(同)

 昨年10月20〜21日に開催されたGP(グランプリ)シリーズロシア杯で、羽生は平昌での演技にも取り入れようとした4回転ルッツに挑戦した。自身初の成功を収めたものの、SPでの失敗が響き、優勝したネイサン・チェン(米国)の後塵を拝することになった。

 この大会以降、羽生は実戦から遠ざかることを余儀なくされる。翌11月のGPシリーズNHK杯の公式練習で、4回転ルッツを跳ぼうとして転倒。診断の結果、右足関節外側靭帯損傷で全治3〜4週間とされた。

 ところが、それから1カ月ほど経った12月14日、回復が遅れているとのコメントを発表。それには、〈通常の捻挫よりも治りが長引く靭帯も損傷していることがわかりました。また、腱と骨にも炎症があるため、治るスピードが早くはありません〉と記されていた。

 結局、羽生は90日以上にわたり、マスコミ完全シャットアウトのリハビリ生活を送ることになる。その場所は、コーチのブライアン・オーサー氏が所属する「トロント・クリケット・スケーティング&カーリングクラブ」だった。

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