「ミヤネ屋」に肉薄!「ゴゴスマ」が打ち切り寸前から視聴率8倍になったワケ

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東京へ逆ネット

――しかし、東京キー局であるTBSは、15年4月期より午後2時からの枠を系列局のCBC「ゴゴスマ」に任す決断を下す。当時のTBSもまたドラマの再放送を流していた。TBSも自局で生放送を制作したかったが、前年(14年)に早朝の情報番組「あさチャン」 (5時25分~8時)、この年は朝の情報番組「ビビット」(8時~9時54分)をスタートする予定で、午後にまで手が回らなかったと言われる。

 また、一人勝ち状態の日テレ「ミヤネ屋」も、系列局である読売テレビ(大阪)の制作 であることが影響したのはいうまでもない。

稲垣:これは想像ですが、TBSも今の「ゴゴスマ」に期待していたわけではなかったと思います。TBSのかつての人気番組「はなまるマーケット」(1996年9月~2014年3月)のような、生活情報番組でいいと考えていたから、我々に話が来たのだと思います。当初は東京での放送は1時間だったので、その間は掃除の裏技などで構成し、ローカルに戻る後半は名古屋の情報という構成にしていました。しかし、いざ放送してみると、全く数字が取れなかった。「なぜ地方の番組を観なきゃいけないんだ!」というお叱りまでいただきました。知名度もありませんし、ローカル制作を見透かされたのだと思います。東京の主婦は、掃除の裏技なんて、ネットで調べるんですよね。「ミヤネ屋」さんが10%近く取るウラで、0.9%という低視聴率を2回記録 しています。「これはまずい」と、それまでとは違う番組作りを模索する中で、冒頭に流すニュースの時は見てもらえる傾向がつかめた。それでそちらにシフトしていくようになったんです。

――しかし、ニュース中心でいこうにも、東京にスタッフがいない。

稲垣:もともと報道、芸能、スポーツといった情報を集めるノウハウがないのと、名古屋ですからね。CBCからは東京駐在の社員は1人だけですし、とてもウチだけでは敵いません。外注のスタッフやTBSさんのご協力を得て取材し、VTRをお借りするなどして番組を作っています。噂で聞いたところでは「ミヤネ屋」さんのスタッフは、我々の2~3倍はいるそうです。ですから2時間の放送に、政治、芸能などあらゆるジャンルを細かく容れることができるのだと思います。対して「ゴゴスマ」の場合は、必然的に1つのテーマを時間をかけて掘り下げるやり方になったんです。

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