心優しさと容赦のない攻め 野中広務氏、言動に責任を負う覚悟(墓碑銘)
その手腕から“影の総理”ともあだ名された野中広務氏が亡くなった。週刊新潮のコラム「墓碑銘」から、その生涯を振り返る。
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野中広務氏の政界引退から14年余りが経つが、各紙は訃報を1面で伝え、評伝も添えて大きく扱った。首相未経験者では珍しいだろう。
政治ジャーナリストで、共同通信元編集局長の後藤謙次氏は野中氏の番記者を務めた時期もあり縁が深い。
「心優しい武闘派でした。弱者へのまなざしと、おごった人間に対する容赦のない態度の両面を持っていました。...