なぜ「中国」の民度は低いのか 密告文化に差別制度、IT大国という“光”の面も
IT超大国「中国」の恐るべき民度(下)
中国が主導するアジアインフラ投資銀行を指し「サラ金に取り込まれちゃうみたいな話になったら……」と発言、批判を浴びたのは、おなじみ「舌禍王」こと麻生太郎財務相である。TPOの問題はさておいても、傍若無人な振る舞いを繰り返す中国を「サラ金」としたこの喩(たと)えは、かの国の本質を言い当てていたとはいえないか。
5つ星ホテルでは便器ブラシでコップを洗っていたことが発覚、ディズニーランドでも子供に“立ちション”をさせ、ビーチはゴミで埋め尽くされる。日本人には耐え難く、信じ難いモラルの欠如にまつわる話は、それこそポイ捨てして忘れてしまわないと気分が悪くなるほどに溢れている。
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「高級レストランで女性と食事をしていた時、彼女がウェイトレスにビールをこぼされた。それなのに、ウェイトレスは謝ろうとせず、しっかりとそのビール代まで請求してきた」(上海駐在の邦人ビジネスマン)
盗人猛々しいと言うべきか、麻生大臣に倣(なら)ってサラ金猛々しいと言うべきか。
「大きな交通事故や将棋倒し事故が起きても、死者はだいたい34人とか微妙な数字が公表される。暗黙の『35人ルール』があるとされていて、被害者がそれ以上だとその地区の行政責任者が処分対象になるので、ウソの数字が発表されると言われています」(現地ジャーナリスト)
こうして、便器ブラシをもってしても洗い流せない「影」を抱えた中国。一方で同国は、日本以上のIT大国であるという「光」の面も併せ持っている。
「今の中国では、60歳過ぎくらいまでであれば、ほぼ全員がスマートフォンを使っていて、アプリで支払いをするのが常識です。タクシーでも、未だに現金で支払っている人なんてほとんどいないと思います。キャッシュレス化が進み、お年玉も『ウィーチャット』というアプリを通じてあげる時代になっています」
と、現地特派員が解説する。
「スマホ決済でないと買い物できないスーパーもあり、都会ではそれなしでは生きていけません。電車に乗るのもスマホ払いなので、物乞いがスマホを持ち歩いて車内でお金を乞うなんて姿も見られるほどです」
北京と広州での駐在歴がある元商社マンで中国鑑測家の北村豊氏が補う。
「盗難防止のために、顔認証装置付きのトイレットペーパー自動供給機を設置した公衆トイレも現れ、北京だけでなく、青島や南京などで導入されています」
最先端技術の用い方が歪(いびつ)に思えてならないが、これまで紹介してきた「裏」の汚い顔と、この「表」の近代的な顔とのギャップをどう理解すればいいのか。
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