続投決定「杉本和行」公取委員長 “泣く子も黙る”伝説

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 昨年末、リニア中央新幹線の談合事件で東京地検特捜部が大手ゼネコン大林組本社への家宅捜索に踏み切り、経済界に衝撃を与えた。きっかけを作ったのは、かつて“吠えない番犬”と揶揄されていた公正取引委員会。そのトップである杉本和行委員長(67)の“続投”が1月23日に決定したことで経済界には警戒感が拡がっている。

 ベテラン司法ジャーナリストによれば、

「公取委は、談合や下請けイジメを積極的に摘発しているとはいえませんでした。それが2002年、杉本氏の前任者である竹島一彦氏が委員長に就任して“吠えない犬から脱皮せよ”と号令をかけたことで、摘発に本腰を入れ始めたのです」

 13年3月に委員長に就任した杉本氏は、“竹島路線”の継承を宣言。2年前にも、東日本大震災の復旧工事を巡る談合事件で前田道路など10社を検察庁に告発し、リニエンシーなる制度を活用して不正防止を促している。全国紙の経済部デスクの解説では、

「リニエンシーとは、英語で“寛容”を意味する課徴金減免制度。談合などに関与した企業が公取委に“自首”すれば課徴金が免除、減額されます。今回、大林組はこの制度を利用したので、金銭的な打撃は他社より少ないでしょう」

 また、杉本氏は経営統合にも目を光らせている。

「経産省は、石油卸業の再編を進めています。ですが、公取委はJXホールディングスと東燃ゼネラル石油の経営統合、出光興産による昭和シェル石油株の取得が、“独占禁止法に抵触する恐れあり”とし、審査にかなりの時間を費やして、経産省を苛立たせました」(同)

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