近藤誠の“「風疹」「B型肝炎」「HPV」ワクチン否定”を信じるな

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今度は「ワクチンは無意味」と言い出した近藤誠――大場大(下)

「がん放置理論」に続き、今度は「ワクチンは無意味」と言い出した――。あの近藤誠氏が、『ワクチン副作用の恐怖』(文藝春秋)を上梓したのは、昨年11月のことだった。インフルエンザ、麻疹について言及した前回に引き続き、「『がんとの賢い闘い方―「近藤誠理論」徹底批判』」(新潮新書)の著作がある大場大氏が、その看過しがたい誤謬を糺す。

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 さらに、風疹ワクチンについてはこう訴えます。

〈幼児期の接種では、先天性風しん症を防げない〉

 ワクチンを接種していない女性が妊娠20週頃までに風疹に罹患すると、ウイルスが胎児に感染し先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれる障害をもって生まれる可能性があります。他の先進国と比べると国内での発生頻度は高く、12〜14年のCRS報告数は45件。それに関連して13年には米国疾病予防管理センター(CDC)から日本への渡航注意が喚起されました。CRSの赤ちゃんは、周囲に感染させてしまうこともあるため、保育所のような集団生活のみならず日常の生活においても様々な制限が出てきます。今もなお苦悩している母親や家族がおられることを決して他人事と考えてはなりません。

 本来、CRSはワクチンで防げるものです。また、風疹の流行年とCRS発生の多い年度が一致するだけでなく、無視できないデータとして、人工流産を選択するケースも同時に増えます。風疹感染を危惧して中絶を決意した少なからぬ妊婦の悲しみを認識すべきです。

〈風しんワクチンは、妊娠を計画したときに、抗体価をはかってから接種を決めればいいでしょう。男性には不要です〉

 近藤氏の主張がいかなるものであれ、未婚であっても妊娠を希望する若年女性は、早めに予防接種を受けておくことが大切です。また、妊婦や胎児への感染リスクをできるだけ減らすには、妊婦の周辺だけの話では済まない。近年もっとも感染者の多いのは成人男性であり、男女問わず一人でも多くの方がワクチン接種をしておくのが望ましい。「男性には不要」などと医師が言うべきではありません。

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