史上初の餃子映画 鍵を握る「足立梨花」の唇

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 1月30日までの支援総額は157万円余り、支援者数は74人――。これ、ある地方創生を謳った映画が呼びかけたクラウドファンディングの調達額である。この夏公開予定の「キスできる餃子」、史上初の“餃子”映画ではなかろうか。

 既にクランクアップしていて、ファンディングで集めた費用は宣伝活動、上映館拡大の資金となるようだ。

 監督は、ドラマ「アンフェア」の原作小説などの他、数々の脚本も手がける秦建日子(はたたけひこ)氏。監督としては2作目となる。主演は、ドラマ、バラエティに幅広く活躍する足立梨花。彼女が演じるのは、バツイチ子持ちのシングルマザー。地元の宇都宮に出戻り、実家の餃子屋の再建に奮闘しながら、謎のイケメンに恋をするというラブコメディである。

 映画の製作委員会メンバーである「宇都宮餃子会」事務局長・鈴木章弘氏によると、

「そもそもこの映画の製作は、2年前、横浜で行われた餃子祭りで秦監督と出会ったのがきっかけです。東日本大震災後、低迷を続ける宇都宮を何とか盛り上げたいとの思いを伝えたところ、意気投合してくださいました。すぐに台本を書き上げてくれたんです。でも、大プロデューサーがつくわけでもなく、限られた上映館をどうやって広げていこうかと、皆で知恵を絞った末、出てきたのがクラウドファンディングの方法でした」

 売れっ子の足立さん主演を熱望したのは秦氏だった。

「テレビなどで見かける彼女の演技、その明るさを見るにつけ、どうしても必要と考えていました。所属のホリプロに声をかけ、賛同をいただき、晴れて出演が決まりました」(秦氏)

「キスできる餃子」、このネーミングは秦氏が宇都宮を視察中、偶然思いついたもの――。明るくて心根の優しい梨花さんの“唇”が成否の鍵を握る。

 今回のファンディングは3000円から20万円までの11コース。協賛額に応じて、キャストの写真がもらえるなど見返りがある。彼女との「餃子キス」――は今のところない。

週刊新潮 2018年2月8日号掲載

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