石原さとみ「アンナチュラル」の「科捜研の女」化が気になる……冬ドラマ8作品採点

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「anone」(日本テレビ系)水曜・夜10時

 同じ脚本家(坂元裕二/50)・演出家(水田伸生/59)のコンビが手がけた「Mother」「Woman」(共に日本テレビ系)に続く作品なので期待していたんですが、始まってみたらちょっと残念です。身寄りのない少女・広瀬すずが、大人たちと出会う中で成長していく--という話らしいのですが、 “芸術祭参加作品”めいた単館ロードショー映画的ドラマになりすぎてしまったような。

 主人公は広瀬のはずなのに、周りに小林聡美(52)、田中裕子(62)、倍賞美津子(71)、その他いろいろ、主演級の女優がワラワラいるうえに、彼女たちのそれぞれに見せ場を作るものだから、話がとっちらかってしまっている。先述の「BG」のように、あれだけのキャストを揃えても見せ場をさらうのはキムタクだけ、といったテレ朝的、あるいはTV的なわかりやすさが、「anone」にはあまりにも少ないんですね。

 連ドラとしては小難しい作品になりつつあります。

「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)木曜・夜10時

 なにひとつ、いいところが見つかりません。コーポラティブハウスに暮らす4世帯を描いているわけですが、それぞれの世帯の話がゴチャついていて、なかなか噛み合ってこないのが観ていてツラいし、そもそもどうしてこんなに下手で知られる演者ばかり揃えちゃったのか。

 深キョン(深田恭子)の芝居に期待はしていませんでしたが、高橋メアリージュン(30)を筆頭に真飛聖(41)から北村匠海(20)まで一座そろって“芝居未満の何か”を繰り出してこられると、観ている自分がかわいそうになってきます。せめて松山ケンイチ(32)がこのバラバラのアンサンブルを引き締めてくれるのではと期待もしましたが、あいにく朱に交わって赤くなってしまっています。

 このところフジテレビのドラマは、数字は取れずとも内容面でけっこう頑張っている印象だったのに、今期は一体どうして……? ちょっと久しぶりの“シビれる物件”です。

「FINAL CUT」(フジテレビ系)火曜・夜9時

 フジテレビ系といっても系列局の関西テレビ制作ですが、平均打率の低い枠で、これまた困った……。ワイドショーの内幕を描いた復讐劇のはずが、テレビの現場のリアル感もなければ、話も勧善懲悪に流れるばかり。KAT-TUNの亀梨和也を使っていますが、視聴率も低調。「隣の家族~」に続いて、フジ系が駄目だと腐される理由がよくわかるような、連ドラ2連発となってしまいました。

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