石原さとみ「アンナチュラル」の「科捜研の女」化が気になる……冬ドラマ8作品採点
「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)木曜・夜9時
そして良くも悪くも話題のキムタクドラマ「BG」。こき下ろす人もいますけど、それほど悪くないと思いますよ。なんといっても、さすがテレ朝。細かいことはいいから、とにかく主役をスターに見せる、その一点に集中しています。
15年の「アイムホーム」(テレビ朝日系)でもキムタクに初の父親役をやらせましたが、テレ朝は“キムタクをオッサンへと軟着陸させる会”の幹事社なんでしょうか。より一層オッサン度に磨きのかかったキムタクを隠さず見せつつ、民間ボディガードが毎回ケガをしながらも、お役所SPの江口洋介(50)に啖呵を切るサマなど、スター性を損なわない造りはお見事です。
「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)で、演技が単調な米倉涼子(42)に手術中だけむやみに目を見開かせて“失敗しない”凄腕の外科医に見せるのと同じような手法がちりばめられています。
ストーリーも大味で単純ですから、“お子様からお爺ちゃんお婆ちゃんまで家族みんなで楽しめるドラマ”にはなっていると思います。
「アンナチュラル」(TBS系)金曜・夜10時
法医解剖医の石原さとみが、運び込まれる遺体から、死因そして事件の究明に挑む――というプロフェッショナル(高度専門職)ものドラマ。石原の演技が不安でしたが、彼女は昨年のドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(日本テレビ系)の評判も良かったように、プロフェッショナルな女性を演じると、意外にハマるんですね。
ただ、第4話(2月2日放送)では、バイク事故で亡くなった男性の解剖はともかく、仲間たちと協力してバイクの傷の捜査まで始めて、ドラマはどんどん「科捜研の女」化。医者の話の領域を超えちゃってます。
視聴率が徐々に落ちているのは、「これ、『科捜研』じゃん」と見切る視聴者が出てきているせいだったりして。
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