北朝鮮幹部の“夜のお相手” 「喜び組」を金正恩が隠すワケ

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「喜び組」の存在が明らかになったのは1996年。韓国に亡命していた金正日総書記の甥によって暴露されたのだが、

「よく金星学院や美女応援団が金ファミリーの“喜び組”だと言う人がいますけど、それは全くの間違いです」

 とは、デイリーNKジャパン高英起編集長。

「北朝鮮には、金正日時代につくられた“木蘭組”という女性の組織があり、高級幹部の夜の相手をしていた。これがいわゆる“喜び組”と解されています」

 上流階級出身の18歳から25歳までの美人で、かつ処女であることが求められるが、この“将軍サマ”の遺産は息子に引き継がれているのだろうか。

 高編集長が続ける。

「正恩は李雪主夫人を公の場に伴うなど、愛妻家としてのイメージを定着させようとしています。その彼が少なくとも自分のために側室を集めているという話は聞いたことがありませんね」

 では、人のため、ならどうかというと、

「5年程前、正恩の友人である元NBA選手のデニス・ロッドマンが訪朝した際、金星学院の女学生がパーティのコンパニオンとして呼ばれたという情報がありました。ただ、これは性接待というより、歌や踊りで場を盛り上げるための賑やかし要員だったと思いますよ」(同)

 確かに、高英姫をはじめ公然の愛人が幾人もいた父親とは違い、3児の父となった正恩にその類の話は聞こえてこない。

 龍谷大学の李相哲教授によれば、

「正日は、万寿台(マンスデ)芸術団や普天堡電子楽団のアーティストを侍らせ、いかがわしい宴会を開いていたのですが、正恩に関してはそういう話を聞きません。そればかりか、宴会の幹事役だった張成沢(チャンソンテク)が粛清されたのは、風紀の乱れを引き起こしたことが咎められたからではないかとさえ言われています」

“妾の子”という自らの生い立ち故に、乱れた女性関係を嫌っているのか。

 もっとも、別の見方をするのは、コリア国際研究所の朴斗鎮所長だ。

「韓国では、“喜び組”が今も維持されているとの報道があります。詳細は定かではありませんが、党の担当者が、金星学院や平壌音楽舞踊大学といった綺麗どころが集まる芸術系の学校から集めて来るのでしょう」

 金夫妻の円満アピールの裏には、後宮「喜び組」というファミリー最大の恥部が隠されているのかもしれない。

週刊新潮 2018年2月1日号掲載

特集「『平昌五輪』の妖花 北朝鮮『美女応援団』に5つの謎」より

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