カタログ廃棄処分だけじゃない! 中国で大人気「無印良品」を悩ます受難の歴史
すぐに廃棄しました
無印良品を展開する良品計画に経緯を聞いてみると、
「昨年(2017年)10月に、重慶市にある弊社店舗で配布される『秋冬家具カタログ』の巻末に掲載されている中国国内の店舗を示す地図に法令違反があると指摘されました。海南島に関しては明らかに弊社のミスで、色の塗り漏れがありました。カタログについては廃棄処分とのことなので、すぐに対応しました。その後、重慶以外のカタログも同じですので、同様に廃棄しました」(良品計画)
今年の「春夏カタログ」の地図は、どうするのだろうか。
「まだ発行しておりませんので未定ですが、店舗を示しただけものですので、なくてもよい地図なんですね。今後の検討課題です」(同・良品計画)
中国側は“尖閣を中国領とする地図”を掲載しなければならない、とは言っていない。載せなければ文句を言われる筋合いはないわけだ。
現在、国内にある無印良品は456店舗。対して海外には約480店舗あり、そのうち中国は230店舗(香港は別会社で19店舗)あるという。国外の無印良品の約半数が中国にあることになる。また1月18日には、世界初の「MUJI HOTEL」を中国深圳に開業したばかりで、今春には北京でもオープン予定という。
出る杭が打たれたということではないのだろうか。
「私どもは単純に法令違反ということなので対応したまでですので、特に日本の政府に相談するといったこともしませんでした。現地の法令には従うべきと考えております」(同・良品計画)
と、実に淡々と語る。
「中国ではたくさんのお客様が無印良品のファンでいらっしゃいますから。もともと中国では、出店の時から登録商標の件でも法廷で争うなどして来ましたからね」(同・良品計画)
むしろ、「慣れている」とでも言いたげなのだ。「中国でたびたび受けてきた受難により、無印良品は鍛えられたのではないか」と言うのは経済誌記者だ。
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