カタログ廃棄処分だけじゃない! 中国で大人気「無印良品」を悩ます受難の歴史

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火に炙られるチキンのよう

 むろん、尖閣と聞いては日本政府も黙っているわけにはいかない。菅官房長官はこう反論した。

「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかで、現にわが国は有効支配をしている。したがって尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題は存在はしない。中国側の独自の主張にもとづく措置は全く受け入れられない」

 これを受けて、中国共産党の機関紙・人民日報の系列紙である環球時報が社説で応じた。

《(地図について)問題のある企業は国内外問わずあった。無印良品の中国における状況は一般的なものであり、世論の特別な注意を引くものではない。/無印良品はすでに問題地図を回収し廃棄し終えている。日本の官房長官のこのような大げさな回答が、かえって無印良品の事態を大きくした。もし地図の問題で大騒ぎが続けば、無印良品はより困難な立場に置かれる。無印良品は中日領土の紛争という大きな鍋を背負う立場にはなく、それはまるで火に炙られるチキンのようだ。》(2月1日付)

 確かに処分されたのは昨年(2017年)10月、すでに終わった話かもしれないが、河野外相が中国を発った翌日に発表というやり方は姑息だ。訪中した河野外相は知らなかったのか? 外務省に聞いてみた。

「我々もホームページの発表で認識しました。ですから大臣もご存知なかったと思います。もちろん尖閣諸島はわが国固有の領土ですので、菅官房長官がおっしゃった通りの対応をするまでです。今回の発表は、日本企業は1社のみで、残りの7社は中国企業。昨年はデルタ航空やZARAといった海外企業も指摘されておりますし、日本企業を標的にしたということでもないと思われます。万が一、他の日本企業に対しても続くようでしたら、注意喚起に努めねばならないと考えています」(中国モンゴル第二課)

 訪中前に河野外相が知っていれば、李克強首相に直接文句を言うことができたかもしれない。

「現地では無印良品が対応されたようですし、こちらへの相談といったこともありませんでしたので……」(同・中国モンゴル第二課)

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