若返った「みずほFG」トップ人事の狙いは 始まる“佐藤院政”

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ライバルを意識

 富士銀行出身のみずほ銀行行員も、

「IBJの天下が続くでしょう。84年入行の坂井さんの社長就任で、富士や一勧出身のエースと呼ばれた役員たちが外に出される。佐藤さんは銀行本来のビジネスモデルでは生き残れないと考えて、証券や信託業務などを中心とした旧IBJ型の金融機関を目指している。そのために、子飼いを後継指名したわけです」

 実は、金融界では佐藤社長の次は、やはりIBJ出身でみずほFGの菅野暁副社長(58)が大本命だと目されていたが、証券業経験者の坂井氏が“当選”した。

「今回の人事は、富士や一勧の有力者を駆逐するだけでなく、三菱UFJFGの平野信行社長を意識したものでしょう」

 こう指摘するのは、みずほ銀行のOBだ。

「佐藤さんは、平野社長をライバル視しています。その平野さんは66歳。8つ年下の坂井さんを社長に据えて、若返りを強調しているのです」

 ちなみに、残るメガバンク、三井住友FGの國部毅社長は63歳だ。

 寝首を掻きそうな“部下”を駆逐し、加えてライバルにも牽制球を投げる。さすが、ヤリ手と評判の佐藤社長だ。グループ内からは“あと10年は、みずほFGを牛耳るのでは”なんて声も聞こえるが、

「メガバンクといえども、“天下り先企業”は昔ほど多くない。若返りで溢れた役員をグループ企業などに無理矢理はめ込めば、そこにいるOBたちが弾き出されてしまう。危機感を持つ彼らが、有力取引先を巻き込んで反撃の狼煙を上げたら、佐藤さんも安穏とはしていられないでしょう」(同)

 2017年度中間決算で、みずほFGの業務純益は、前年同期比40・1%減の2461億円で一人負け。失地を回復しかねれば、OBたちの反撃時期は早い。

週刊新潮 2018年2月1日号掲載

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