スパコン事件が風雲急 「山口敬之」の携帯電話を押さえた特捜部のターゲット

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「要するに国策捜査」

 最後に、捜査の状況に触れておこう。14日以降、NHKなど複数のメディアが、

〈経産省担当者から事情聴く〉

 などと伝えている。

「35億円超の助成金を出したNEDOを所管するのが経産省です。聴取したからと言って、そこの役人を逮捕すると確定したわけではない。ただ、単なる聴取なら、わざわざ報じる価値はない。その背後に意味がある。そんなふうに当局が示唆し、それを受けた報道ではなかったかと見ています」

 とは、司法記者のひとり。

 事実、特捜部の関係者は、

「山口がペジーの顧問になって以降、彼と齊藤が経産省に担当者を訪ねたことがあります。その席で2人は“官邸が了解しているのになぜ急がないのか”というような問いを投げかけたとされている。担当者はそれをメモにはしたけれど、公文書には落とし込んでいないということでした」

 とし、こう続ける。

「山口が濃密にやりとりしていたのは文科省の方でした。融資金およそ60億を注入したJSTを管轄する役所ですね。文科省側から疑惑の証拠が取れればそちらをやるかもしれません。官邸を告発した『前川の乱』への意趣返しの意味合いもあり、文科省にダメージを与えられるなら官邸は検察による役人逮捕にも横槍を入れないでしょう。要するに国策捜査そのものなのです」

 ペジーにとって欲しいものはもっと増えたのに、カネはうんと足りない。その差を埋めるべく、拙劣な起業家たちが働いたインチキは、更に暴かれようとしているのだ。

週刊新潮 2018年1月25日号掲載

特集「スパコン事件が風雲急! 『総理ベッタリ記者』の携帯電話を押さえた特捜部のターゲット」より

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