スパコン事件が風雲急 「山口敬之」の携帯電話を押さえた特捜部のターゲット
単なる参考人ではない
東京地検で検事を務めた落合洋司弁護士は、
「携帯電話に限らず、捜査に必要があれば所持品について、任意で提出を受けること自体、おかしな話ではありません。ただ、当局がそこまでするのは被疑者や被疑者に近い立場の人であることが多い。単なる参考人にはそこまでしないのではないでしょうか。当然、携帯の提出を受けてパソコンはそうしていないということは考え難いですね」
としたうえで、特捜部の思惑をこう忖度する。
「メールや写真から活動状況や行動内容を知ることができます。携帯電話の任意提出を受けたということは、その人物の深い部分の情報に対し、検察が興味・関心を持っていることの証左。すべての参考人から携帯電話の任意提出を受けるわけではありませんから」
ところで、最近はアップル社の「iCloud」などでバックアップを取っている人がほとんどだから、そちらを押さえればいいじゃないかと思うムキも少なくなかろう。しかし、
「あの会社はFBIへの捜査協力すら断った。ですから、日本の捜査当局がいくらお願いしても、データ提出には応じないでしょう」(先の井上氏)
ところで、『総理』に『暗闘』という著書のみならず、安倍首相とのベッタリ具合はたとえば、2017年2月12日放送の「Mr.サンデー」(フジテレビ)に表れている。首相が訪米してトランプ大統領とのゴルフを楽しんだ後の放送で、MCの宮根誠司に「安倍総理と直接電話できる政治ジャーナリストの山口敬之さん」と話を振られた当人は、
「そうですね。ゴルフ終わって、えーと、北朝鮮関連の記者会見の前に、2度ほど電話で話をしました。自分のゴルフがすっごく調子が良かったと言って、えー、あのー、27ホール回った最後の9ホールのうちのロングホールでバーディーを取ったってことを、多分その報告をしたくて電話してきたんだと思います」
と、親密ぶりを遺憾なくアピールする山口氏のことだから、メールなどによるやりとりもまた濃密だと推察される。そればかりか、さる永田町関係者が、
「最近、山口と話をした人が、“昭恵夫人との面談ならいつでもセッティングできる”と言っていました」
と語る通りなら、山口氏の携帯は、アッキーとの浅からぬ関係をも証明する宝の山ということになる。特捜部に携帯を没収された経験を持つ人物によると、
「私の場合、携帯から問題が露見することはありませんでした。ただ、当時、複数の相手と交際しておりまして、“あんた、ちょっとぐらい休んだらどうなの”って、検事さんに腕をツネられた記憶があります」
なるほど、当局にとって副産物に巡り合う可能性がないわけではないのだ。
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