NYタイムズが1面で報道 欧米メディアは山口敬之の「準強姦事件」をどう伝えたか
山口氏の言い分も掲載
おしなべて、性犯罪被害者への扱いや法整備に対して日本が後進国だと印象付けるトーンで、具体的にはこんな具合だ。
〈米国でキャピトルヒル(連邦議会議事堂のある一帯)、ハリウッド、シリコンバレー、メディア業界を騒がせる性犯罪事件が続々と暴露されるなか、伊藤さんの話は、ほとんどの被害女性が警察に相談しない、もしくは届け出たとしても逮捕や起訴に結びつかない日本において、性犯罪がいかに避けられがちなテーマであるかを表す典型例なのだ〉
〈最新の政府統計によると、2016年の強姦の認知件数は989件、女性10万人あたり1・5件である。一方、米国では、FBIの統計によれば、11万4730件、男女合わせて10万人あたり41件の強姦が発生している。専門家は、この差違は犯罪率そのものではなく、むしろ被害者が通報をしない実態と日本の警察や検察の態度が反映されていると分析する〉
他方、山口氏にも言い分を聞いており、
〈彼女をホテルに連れて行ったのは、(酔っているからひとりでは)家に帰ることができないと懸念したためで、自分自身は、部屋に戻ってワシントン時間の締切に間に合わせなくてはならない仕事があったからだと説明した〉
〈伊藤さんを部屋に連れて行ったことは、「不適切だった」と認識していたが、「駅やロビーに」放置するのもまた不適切だと思った」と述べた〉
〈「彼女から迷惑を被っているのは私の方です」とも語った〉
結論としてNYタイムズは、タイトルにあるように、
〈伊藤さんは、10月に体験をまとめた手記を出版したが、大手メディアは、大々的に取り上げることはなかった〉
と訴えるのだった。
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