やめられない〆のラーメン、体内の「カビ」が欲しているから? その改善法

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朝一番の唾液でチェック

 腸のカビの繁殖を防ぐためには、普段の食事に気をつけるのが一番ですが、すでに腸が炎症を起こし、症状が改善しない場合は、腸壁をメンテナンスしたほうがいいでしょう。

 腸のなかにカビがいるか、炎症がどの程度か、検査でわかります。朝一番の尿を調べて、炎症の有無に加え、バクテリアや悪玉菌の繁殖状況も確認できます。

 自分で確かめる方法もあります。舌の表面が白くなっていたら、カビがいる可能性があります。また朝一番の唾液を、水が入ったコップに入れて15分から20分間観察し、糸状のものが垂れ下がるか、濁った唾液が底に沈むか、濁った粒子が漂うかしたら、カビがいる可能性があります。

〈新宿溝口クリニックの溝口徹院長が検査について補足する。

「一つは、便中のカンジダ菌を調べる便培養検査。この検査で陽性になると、大腸にカンジダが繁殖していることが多い。次にカンジダ抗原・抗体検査。血中のカンジダ抗原とカンジダに対する各種抗体を検査し、カンジダ感染の有無と、それによる全身の症状への影響などを評価するものです。3つめは尿中の有機酸を調べる方法で、カンジダが産生するアラビノースという物質が多いと、カンジダが問題を起こしていることがわかります」

 同様の検査は、ファストロ氏のクリニックでも行っている。こうした検査を受ける人について溝口院長がいうには、

「過敏性腸症候群の人が多い。お腹の張り、慢性的な下痢や便秘に悩まされてきた患者さんが、大学病院で大腸カメラで検査してもなにも見つからず、来院されます。ある60代の男性は十数年、1日5回の下痢に悩まされ、大学病院でストレスが原因だと診断されていたそうですが、検査するとカンジダが陽性でした」〉

タンパク質をよく消化する

 私のクリニックでは、検査の結果、カビがいてリーキーガット(※腸管壁に開いた微細な穴から細菌や毒素が漏れ出す症状。詳しくは前回参照)が疑われたら腸内環境改善プログラムに取り組みます。腸内フローラのバランスを整え、消化酵素を補填し、カビや悪玉菌を除去し、消化管粘膜を修復してバリア機能を向上する、という4つを柱に据えています。同様のプログラムを組んでいるクリニックは、各地にあるはずです。

 治療が必要な人は、カビが好む糖質を一定期間控えること。そして食事と一緒にレモン水や酢、大根おろしなどをとるようにします。タンパク質などは未消化だと分子が大玉のまま届いて腸を傷つけやすいので、消化のよいものと一緒に食べたほうがいいのです。グルテンやカゼインも腸の炎症の原因になるので、それらをふくむ小麦や乳製品も控えます。一方、かつおや昆布でとった出汁は、腸の修復に役立ちます。

 そのほかカビの繁殖や炎症を抑えるために、苦みがある野菜や山菜、ハーブ類をとります。生姜やにんにくなどの薬味を生でとるのもお勧めです。亜麻仁油やエゴマ油などオメガ3系の油も炎症を抑えるのに有効です。そしてよく噛むこと。虫歯や歯周病を治すことも忘れてはいけません。

〈溝口院長はこう語る。

「根絶は難しいが、カンジダが問題を起こさないようにすることが大切で、乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌を増やし、カンジダが好む栄養素を摂取しないことが大切」

 先の60代の男性も、ハーブ系や乳酸菌のサプリを処方し、症状が改善されたという。〉

 いま、腸の健康が注目され、乳酸菌などをヨーグルトでとっている人が多いと思います。しかし、カビが繁殖していると、乳酸菌などの善玉菌をとるだけでは腸内環境は改善されません。ここまで述べてきたように、カビやそのほかの悪玉菌にアプローチする必要があるのです。

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ファストロ滋子(ふぁすとろ・しげこ)
歯科医師。岩手医科大卒。慶応義塾大学病院麻酔科を経て、日本歯科麻酔学会認定医に。静脈内鎮静法、全身麻酔下での術中・術後の全身管理、一般歯科に従事。現在、院長を務めるオーラル ウェルネス クリニックに予防医療サロンを併設。

週刊新潮 2018年1月4・11日号掲載

特集「驚愕の警告 放置すれば腸に穴が開く! 検査で発見・除去できる!! 『大腸のカビ』が『がん』『認知症』の原因だった――ファストロ滋子(歯科医師)」より

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