ネット騒然! ガッキーそっくり「中国女子大生」の意外な素性――少数民族で超苦労人
家族の負担を減らしたい
さらに16年には、歌のオーディション番組「超級女声」にも参加して、歌声までも絶賛された。当時、彼女はこう語っている。
「2年間は芸術の道で努力しようと思います。2年の間に大きな成果を残せなかったら、夢をあきらめて、きちんと会計を勉強して、卒業後は安定した仕事に就き、家族の負担を減らしてあげたい」
なんて地に足のついた発言だろう。今時の中国、いや日本にもこんな子はいないかもしれない――どうしてこんな真っ直ぐな子に育ったのか。オーディション時、彼女はこう紹介されていたという。
大変な生活の中で、歌を潤いにしてきた湖南山村の明るい少女――。
実家がある湖南省古丈県断竜山鎮百家村は、わずか165世帯しかないから百家村と呼ばれるようになったという。百家村は湘西トゥチャ族ミャオ族自治州に属する。彼女はトゥチャ族の生まれなのだ。
14億人を誇る人口最多国、中国は漢族がその94%を占めるが、漢族以外に公認された55もの少数民族がいる。そのうちの1つ、トゥチャ族(といっても中国のことだから、800万人もいる)の多くは、湖南省、湖北省、重慶などの自治州に暮らしている。彼女の村の人口は664人で、総面積は6510平米。その中の耕作地は884平米。彼女の家から最も近い役場の派出所まで12キロ。
子供の頃の彼女は学校が休みの時も毎日朝6時に起きて、家族の食事を作り、午前中は家で飼う豚や鶏の面倒を見て、それが終わると昼食を作り、トウモロコシ畑にいる父に届けて共に食事を摂り、トウモロコシの収穫を手伝って家路につく。夕食の後は弟の宿題の面倒をみた――歴とした貧困区である。
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