東スポ「中日・岩瀬の移籍拒否」報道 日ハムはなぜ諦めたか?
中日・岩瀬が日ハムへの移籍拒否。
事実ならば、紛れもなく日本プロ野球界の根幹を揺るがす大事件。しかし、東京スポーツが3日間に亘って報じたスクープを、他のスポーツ紙は、どこも追おうとしない――。
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ことの発端は、東スポ(1月18日付)1面で報じた「岩瀬 日ハム移籍拒否 引退覚悟だった!! 衝撃の事実」という記事だ。
公の話としては、日本ハムの大野奨太捕手(31)がフリーエージェント(FA)権を行使して中日への移籍が決定し、1月14日、日ハムは中日に対し、金銭補償を求めることにしたと発表したというもの。
これに対し、東スポが報じたのは、そもそも日ハムは金銭補償でなく、人的補償として中日の“レジェンド”岩瀬仁紀投手兼コーチ(43)を求めていたのに、金銭補償に変わったというのだ。スポーツ紙記者は言う。
「FA権を行使して他球団へ移籍した選手が“補償対象選手”の場合、移籍元球団は移籍先球団に対し、金銭補償や人的補償を求めることができます。ただし、人的補償の場合、移籍先球団の提出する“プロテクトリスト”に登録された28選手以外から指名しなければならないというルールがあるのです。もちろんリスト以外の選手が『あの子が欲しい』と言われたら、拒否権はないというのがルール。今回、東スポが報じたのは、中日側のプロテクトリストに、球団の至宝であるはずの岩瀬の名がなかったために、日ハムは岩瀬を指名。しかし、岩瀬は、『人的補償になるなら引退する』とまで言って拒否したために、中日は大混乱に陥り、結果として金銭補償に変わったというのです。事実なら、いくら“レジェンド”とはいえ、岩瀬に拒否権はありませんから、確かにルールを無視した球界を揺るがす事件なのです、事実なら……」
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