あなたはまだ「滋賀県」を知らない 「100歳以上」2人「90歳以上」10人超の長寿村

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「野菜はようけ食べるね」

“たまり場”の常連、中嶋清野さん(86)は、

「毎回参加するのが楽しみで、年末年始はずっと閉まってたから、久々に集まるのが楽しみで仕方なくって。みんなで世間話をしている時間がなにより楽しい」

 と嬉しそうだ。大野木でも鮒ずし、ニゴイのぬか漬け、アユの佃煮、ハスの姿煮、エビ豆など湖魚はよく食べる。また先の3人は、

「全員畑を持ってるから野菜はようけ食べるね。80代、90代もみな畑仕事して、野菜を買うことはほとんどない。畑作業も健康の秘訣だと思いますよ。タバコを吸うのも、ここにくる何十人で1人ちゃうかな」

 と話す。旅行好きも多く、

「みんなグループごとに旅行に行きます。僕は昔から付き合いのある5軒で旅行のための田んぼを作っていた。田んぼからの収益40万円程度で、10人ほどで毎年、いろんなところに旅行しました。ほかにも寺の檀家や集落内の組や老人会など、いろんなグループで行くんです」(同)

 前出の奥村院長が言う。

「自分が輝いていたころや楽しかった旅行の思い出を話したりすると、脳が活性化し、認知予備力が高まります。旅行も運動になるうえ、非日常の空間に身を置くことで五感が刺激されて、認知症予防になる」

 そして長寿に。小さな集落が、実に合理的に長寿を導いているのである。

週刊新潮 2018年1月18日号掲載

特集「平均寿命でトップに躍進 あなたはまだ『滋賀県』を知らない」より

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