式守伊之助の10代行司セクハラ問題 相撲ムラからタブーが露見したワケ

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 貴乃花親方(45)の理事解任が正式に決定した翌日というタイミングで飛び出したのは、耳を疑うような醜聞だった。その主役は大相撲の行司の最高位である立行司の式守伊之助(58)。昨年12月に行われた冬巡業の初日、泥酔した伊之助が10代の若手行司に対して、複数回キスしたり、胸に触れるといった「セクハラ行為」を働いた、と相撲協会が発表したのである。

「協会がこの件を把握したのは1月5日の夕方。第三者の幕内行司からの報告を受けてただちに高野利雄危機管理委員長が伊之助と10代の若手行司に聴取し、事実関係を確認した」

 と、相撲記者は語る。

「なにせ貴乃花親方が解任された翌日ですから、協会から記者発表がある、と聞かされて誰もが貴乃花親方関連だと思って緊張していた。で、夜11時前に春日野広報部長と鏡山危機管理部長が国技館の広報室に入ってきて、明かしたのが今回のスキャンダル。あまりに想定外な発表内容に、現場には奇妙な空気が漂い、記者の間では後ほど、“これ、ダウンタウンの『絶対に笑ってはいけない24時』のネタなんじゃないの”という冗談まで飛び出した」

 聴取された際、伊之助は「泥酔していたので覚えていない。自分は男色の趣味はないのでなぜこのような行為をしたのか分からない」と弁明したというが、

「行司だけではなく、床山や呼び出しなど、相撲界の裏方に“そっち”系の人が多いのはよく知られた事実です。外界との接点が少ないので、どうしても“そっち”に走ってしまうのです。行司と床山がデキちゃうというケースもあるし、部屋の新弟子が行司に“食われて”しまうことも。それが嫌で部屋から逃げ出す新弟子もいます」

 と、相撲協会関係者。

「ただ、そうした話はまず表に出てくることはない。しかも、今回の醜聞の主役である式守伊之助は行司の世界では神様のような立場にある人ですから尚更です。今回、被害者の若手行司が声を上げ、第三者の行司が協会にきちんと報告したのは、貴乃花親方が1人で協会と対峙し、その隠蔽体質に風穴を開けようとしていることが少なからず影響を及ぼしているのは間違いないでしょう」

 貴乃花親方の孤独な戦いにより、「相撲ムラ」のパンドラの箱が開きつつあるのだろうか――。

週刊新潮 2018年1月18日号掲載

特集「『貴乃花』がタニマチに激白! 『白鵬は別のガチンコ力士もぶっ壊した』」より

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