300種類が競う京王百貨店「駅弁大会」マニアが絶賛「知られざる名品」は?

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野菜サラダの信じられない美味しさ

 次は「高原野菜とカツの弁当」だ。再び前出の雑誌編集者に登場してもらおう。

「これほど生野菜のサラダを贅沢に詰めている弁当は、他に類を見ません。小渕沢といえば、八ヶ岳山麓の高原野菜が有名です。同封されたドレッシングをかけて食べると、レタスのしゃきしゃき感、セロリの味の深さに驚かれるでしょう。カツはチキンカツで、ソースだけでなく塩も同封しているところに、製造元の自信を感じます。私は塩と辛子のほうが好きです。さらに、サラダは賞味期限が厳しく、普段は小渕沢駅でしか買えません。それが新宿で購入できるというのも、駅弁ファンには朗報なんです」

 こちらも製造と販売を行っている丸政(山梨県北杜市)に話を聞いた。

「昭和45年頃から販売を開始した、弊社のロングセラー駅弁の1つです。生野菜の味には自信があります。新鮮さを保ちながら洗浄する方法を開発するのには、相当な試行錯誤がありました。チキンカツが珍しいとも言われますが、トンカツは冷めると固くなるので鳥を選びました。これまでの駅弁大会でも『高原野菜とカツの弁当』を販売しておりましたが、お客さまから常に『昼過ぎの賞味期限は早すぎる』とのご意見を頂戴していたんです。そこで弊社の100周年に合わせ、今年は賞味期限を延ばすため、駅弁大会の会場での製造・販売に踏み切りました。小渕沢と新宿間はアクセスがいいので新鮮な野菜が輸送できます。ですから関西や九州での実演販売となると、実現は無理ではないでしょうか」

 両方ともロングセラー弁当だけあって、自然と万人が愛する味に仕上がっている。駅弁大会の最終日は1月23日の火曜だ。

週刊新潮WEB取材班

2017年1月14日掲載

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