300種類が競う京王百貨店「駅弁大会」マニアが絶賛「知られざる名品」は?
東京に近い駅弁を狙え
だが“逆転の発想”で、美味しい弁当を楽にゲットする秘策があるという。駅弁に詳しい雑誌編集者が明かす。
「京王百貨店の宣伝によると、300種類以上の弁当を、2週間で約30万食、売ってしまうそうです。ライバルである他の客との弁当獲得競争は熾烈です。そこで“美味しいのに知名度が低い弁当”を頭に入れておくと、効率よく会場を動けるようになります」
人気弁当の真逆。つまり、東京近郊の駅で製造・販売され、メインは豚肉や鶏肉を使った弁当というわけだ。
「わざわざ東京都民が、関東近郊の駅に弁当を買いに行かないでしょう。北海道の駅弁を旅行中に食べることのほうが多いはずです。つまり、関東圏の駅弁は“東京から最も遠い弁当”という逆説が成り立つのです。こうした“真逆の条件”を満たし、なおかつ“マニアに評価の高い弁当”が、今大会は少なくとも2つ出品されています。これらはテレビのワイドショーでも紹介されないでしょう。“知る人ぞ知る名品弁当”というわけです」
これは偶然なのだが、どちらも「カツ」がメインだ。そこで「デイリー新潮」のオリジナル企画として、勝手に「カツ対決」をさせて頂いた。
【カツ対決】
●トンかつ弁当(千葉県/千葉駅):500円
●高原野菜とカツの弁当(山梨県/小渕沢駅):1000円
まず「トンかつ弁当」の魅力について、前出の雑誌編集者に解説してもらおう。
「何よりも、駅弁大会で最安値たる500円という価格が素晴らしいでしょう。分量も小腹を満たすぐらいなので、5個目、6個目を買う方にも手頃です。肝心の味ですが、トンカツというよりも、非常に薄い豚肉の揚げ物といった感じです。ところが、ソースの染みた味が、ご飯に合う。家庭的で素朴な優しい味が、人気の秘訣だと私は思っています。千葉市民のソウルフードとも言われ、父親が高校生の時に食べ、その息子が高校生になって食べる、という息の長いヒット弁当です」
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