「座間9人殺し」アパート、現在も人気 退去者ゼロに入居希望者も

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 9人が解体された一室を持つアパート――。失礼ながら、完全なる「事故物件」、住民がいなくなってもオカシクないところ、「座間9人殺し」のそれは、退去者はゼロ、そして入居希望者までいるのだという。奇怪な人気の、そのワケは。

 そのアパートは、小田急線相武台前駅から徒歩10分程の線路沿いにある。築30年、2階建てで、4坪前後のワンルームが1F、2Fに6部屋ずつ並んでいる。白石隆浩の部屋は2F中ほどの一室であった。

 ようやく警察の規制が解かれ、12月14日には「慰霊祭」が行われたこの現場、

「事件後に出て行った人は今のところいませんよ」

 と述べるのは、当の管理会社の社長である。

「ゴースト化したらホントのお化け屋敷になっちゃうんだけどね……。今の空室は1室。事件前から空いていた2階の部屋だけです。イタズラの連絡が来てもやだなと思って、一般には募集をかけていないんだけど、どこで調べたのか、問い合わせがいっぱい来るんですよ。まあ大半は冷やかしで“内見させてくれ”というもの。でも“安いですね”と本気の人も2〜3人はいて、具体的に話は進んでいますよ」

 と言うから、驚きである。

 もっとも、12室の家賃は、管理費を合わせ、それぞれ2万2000円から2万5000円程度。周辺の同様の物件の相場から見て、それほど安いとは言えない。そこで、「住み続ける理由」を、2Fに住む男性住民に伺ってみると、

「そりゃもちろん気持ち悪いんでね。引っ越そうといろいろ探したんですけど、忙しいですし、あまり良い物件もないし……。週末実家に帰るので、ここからのアクセスが良いんですよ。やっぱり引っ越すのは面倒くさいんでね……」

 続けて、

「事件の後、家賃も下げてもらいました。2万5000円だったのが2万2000円になりましたよ」

 と仰るから、逆にその“たくましさ”に恐れ入ってしまうというワケなのだ。

 先の社長によれば、白石の部屋は、

「これまで家賃は彼の口座から引き落とせていたけど、12月分は残金が足りなくて無理だった。緊急連絡先の親父さんの携帯に電話しても繋がらないし……。これからどうすんのって感じ」

 仮に契約解除となれば、この部屋も「募集中」となるのか。さて、その時の「入居希望者」はどれほど……。

週刊新潮 2018年1月4日・11日号掲載

ワイド特集「犬も歩けばドッグ・ファイト」

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