歓迎式典チケットは売り切れでも… 開幕は危うい「清宮ハム」の賞味期限
大谷翔平なき来シーズン、プロ野球界最大の関心事は、北海道日本ハムファイターズ・ドラフト1位のスーパールーキー“清宮幸太郎”である。1月14日、千葉県鎌ケ谷市にある2軍施設で開催される「新入団選手歓迎式典」の前売券は発売早々に完売した。今が食べ頃の“清宮ハム”。さて、その賞味期限は?
「12月9日、清宮君はソフトボールをしてました」
と明かすのは、清宮が中学時代に所属した調布リトルシニアの安羅岡一樹監督。
「毎年この時期に中3の選手たちが高3のOBと引退試合をするのが習わしなんです。野球では差があり過ぎるのでソフト。清宮君も来てくれました。ヒット? ヒットは無かったかなぁ」
来たるべき入団に備えて羽を休めているようだが、清宮家に近い筋によると、
「彼は週3回ジムに通っています。中学の頃からスポーツジムの勧誘が凄くて、複数のジムの会員になっています。そういえば用具メーカーからも、ラブコールが多数あったみたいです」
用具メーカーといえば、スポーツ紙デスク曰く、
「清宮がプロでどのメーカーの用具を使うか、業界が注目しています。広告効果は絶大ですからね。バットは、高校で使っていたローリングス製が最有力です」
もっとも、試合に出られなければ広告も糞もない。
とりわけ高卒野手は、木製バットへの適応がネックだ。過去20年で“開幕1軍”を成し得た高卒野手ルーキーは、田中一徳(横浜)、内川聖一(同)、炭谷銀次朗(西武)、駿太(オリックス)、高橋周平(中日)、大谷翔平(日ハム)、オコエ瑠偉(楽天)の僅か7名しかいない。
「清宮の“開幕1軍”の最大の障壁は、やはり中田翔(28)です。昨季こそ不振でしたが、主力には違いなく、球団も無下にはできません。中田自身も高卒で入団当時、同ポジションに小谷野栄一という主力がいたため、コンバートを余儀なくされました。今度は自分が清宮の“壁”になる心積もり。実際、清宮も“外野コンバート”が検討されています」(同)
「コンバートは故障リスクが高まるので心配ですね」
と警鐘を鳴らすのは、巨人や西武でマネジメントを務めたスポーツ・アドミニストレイターの河田弘道氏。
そもそも清宮は、中学時代に腰を疲労骨折するなど故障持ちである。
「巷では“日ハムは育成上手”と言われていますが、そうとも限りません。昨季12球団で唯一支配下選手枠を満たしていない少数精鋭の球団ゆえ、余剰人員がなく、若手の出場機会が多いだけです。ダルビッシュや大谷など成功例が目立ちますが、逆に無理に使い過ぎてダメになったケースも少なくありません」(同)
キャンプ、オープン戦……開幕まで無事を祈る。