直撃に貴乃花が語った「力士を志す者たちへ学べる角界であるべき」 告白した事件の全貌とは

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伊勢ヶ濱親方とのやり取り

 貴乃花親方は事件を把握した後、どのような対応をとったのか。以下、タニマチへの貴乃花親方の証言を元に振り返っていく。

〈当初、貴ノ岩は事件について私に隠していた。しかし、10月28日、稽古の時の様子がおかしかったので問い詰めたら、事件のことを明らかにした。ただ、その段階では、貴ノ岩が一方的にやられたのか、それとも現場に居合わせた者全員で殴り合いになったのか分からなかった。だから伊勢ヶ濱親方に連絡したのです〉

 伊勢ヶ濱親方は貴乃花親方に対して、

「今回の件は私が協会に連絡をします」

 と話したというが、実際に彼が協会に連絡をしたかどうかは定かではない。

〈その後、伊勢ヶ濱親方から連絡があり、“今回のことは内々で調べて、表には出さないように”と言ってきた。しかし私は“そんなことでは済まない。ケガの程度が大きすぎる。誰が被害者で誰が加害者なのかはっきりさせなくてはいけない”と返した。伊勢ヶ濱親方は困った様子だった〉

 貴乃花親方が貴ノ岩の被害届を鳥取県警に提出したのは10月29日。

〈警察の担当者からは“これを事件として調べていくのであれば、一切口外してはいけません”ときつく言われた。さすがに協会には報告しなければならないので、警察から協会に連絡してもらうことになった〉

 鳥取県警が事件について相撲協会に問い合わせたのは11月2日。その翌日、協会が貴乃花、伊勢ヶ濱両親方に電話したことは報じられている通りである。

〈11月4日にはまた伊勢ヶ濱親方から連絡があり、“事件の全容を把握した。お詫びに行きたい”と言ってきたが、すでに警察の捜査も始まっていたので、“警察が調べている”と言って断った。11月11日の理事会では、事件のことは議題にすら上らなかった。その理事会の後、伊勢ヶ濱親方と2人で話す機会があったが、“今回の事件に関して、警察は動きませんよ”と言われた〉

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