「闘将」星野仙一氏「鉄拳伝説」の思い出 過去には審判暴行で「刑事告発」も

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遂に刑事告発

 そして遂に、星野氏の“暴力”は刑事事件にまで発展する。「中日・横浜7回戦 中日・星野監督ら3人が主審に暴力振るい退場」(00年5月7日/スポーツ報知)を見てみよう。まず、問題の暴力場面だ。

《7回の攻撃中(略)ゴメスの二塁打で同点とし、なお2死二塁のチャンス。打席には立浪だ。カウント2-1からの4球目は内角低め。コース、高さとも微妙だったが、橘高球審は「ストラックアウト!」。自信を持って見送った立浪が、球審の両肩を突き、そこへ指揮官らがなだれ込んで、大騒動となった》

《鬼の形相をした星野監督が、左肩から橘高球審に体当たりした。「どこがストライクや!」後ずさりしながら、同球審が「退場!」をコールすると、もう一度アタック。その後はめちゃくちゃだ。大西が背後から審判の頭部を殴りつけ、蹴りを入れる。中日ナインと審判団がホーム付近で交錯し、まさにパニック状態。満員のナゴヤドームには、怒号とやじが飛び交った》

《星野監督、立浪、大西の3人が退場処分を受けたが、混乱はこれでは終わらない。中日ナインがやっと8回の守備についた直後だ。中日の3番手・前田が、駒田の外角に投じた微妙な1球が「ボール」と判定され、今度は監督代行の島野ヘッド、山田投手チーフコーチが再び抗議。舞台裏では監督室にいた星野監督が、審判室に殴り込んだ。「あんな審判に(ジャッジが)できるわけがない! めちゃくちゃや。文句なし(ストライク)やろ。ビデオで見て下さいよ!」と、審判部関係者に直談判した。

 昨年6月1日の巨人戦(ナゴヤドーム)で、渡辺が自打球を当てたように見えた打球をフェアと判定され、併殺打となったときの球審も、橘高審判だった。「汚いことしやがる。ふざけとる!」と、最後まで不信感をむき出しにした熱血監督。延長戦でチームも敗れ、疲労感と後味の悪さだけが残った》

 この後、テレビ中継などで暴行を知った愛知県と大分県の男性ファン2人が、それぞれ刑事告発。愛知県警が捜査を行ったが、名古屋地検は同年10月に星野、立浪和義、大西崇之の3氏を起訴猶予処分とした。

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