「闘将」星野仙一氏「鉄拳伝説」の思い出 過去には審判暴行で「刑事告発」も
オーナーが「星野鉄拳」に期待した時代
4日午前5時25分、「名将」星野仙一氏が、すい臓がんで死去した。70歳だった。「燃える男」や「闘将」とも呼ばれた。
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選手やコーチに体罰も辞さないという厳しい姿勢で臨み、「鉄拳」という冠も付いて回った。ところで、この「鉄拳」だが、星野氏が別の造語で言い換えをしたことがあるのをご存知だろうか。
話を進める前に、まずは「鉄拳」の典型的な使用例を紹介したい。
星野氏は2001年、阪神の監督に就任する。当時の阪神オーナーは久万俊二郎氏(故人)で、その発言を報じた興味深い記事がある。「【阪神】星野監督“殴れ”久万オーナー『スパルタ結構』」(2002年1月30日/スポーツニッポン)というものだ。
《三顧の礼で迎えた星野監督に対しても、久万オーナーは「これで3位にいかんかったら、戦略的な問題があるんじゃないかということになる」と強い姿勢を示した。そのうえで、久万オーナーは星野野球の代名詞ともなっている鉄拳制裁を支持。「スパルタ結構。私は軍隊生活を知っていますから。人間、肉体的にカツを入れられたらピリッとする。選手は男の子だからいいでしょう」と奨励した》
今となっては炎上が懸念される発言だ。改めて昭和が遠くなったことを実感させられるが、星野氏も自分のイメージを最大限に利用していたようだ。
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