NHK大河「西郷どん」放送開始――“薩長史観”の洗脳度を測るチェックリスト

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西郷隆盛の“凶暴”な一面

 1867年に幕府は大政奉還を行い、68年には江戸開城となる。だが世界に誇る無血革命は一瞬にして消滅し、後は“官軍”が“賊軍”を虐殺する陰惨な戊辰戦争の戦端が開かれてしまう。どうしてこのようなことになったのか、悪い意味で鍵を握るのが西郷隆盛だ。

「西郷は優柔不断な一方、方針が決まると、過剰なまでに突き進みます。そこには狂気が窺えるほどです。大政奉還を成し遂げながら、西郷隆盛は戊辰戦争で官軍による一方的な虐殺を放置しました。それだけでも大問題ですが、戦争の目的は徳川家と東北各藩の富を強奪することにあったのですから、何の大義名分もありません。福沢諭吉も戊辰戦争に強い怒りを表明していますが、当然でしょう」(武田氏)

『薩長史観の正体』には他にも、大政奉還による「無血革命」に危機感を覚えた西郷が1867年10月、江戸城に放火させたり、強盗集団を結成させて大店を襲わせたりしたという衝撃的な事実が書かれている。

 当然ながら、本物の人間は多面性を持つ。NHKの大河ドラマが、どこまで真実の西郷隆盛に肉薄できるか、『薩長史観の正体』を手元に置きながらテレビ鑑賞というのも面白いのではないだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2018年1月7日掲載

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