安倍内閣ほど移民を受け入れた政権はない――日本を変える“亡国の法”の問題点

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「民間議員」という権力者

 14年5月10日、筆者はテレビ愛知「激論!コロシアム」で、政府の諮問会議(産業競争力会議、国家戦略特区諮問会議など)に竹中平蔵氏が所属していることを問題視し、

「なぜ諮問会議などで民間議員という名の民間の経営者が、自分の会社の利益になるような提案をするのか!」

 と、追及した。

 何しろ、竹中氏は安倍政権の「産業競争力会議(現在の未来投資会議)」等の民間メンバーである一方で、人材派遣会社「パソナグループ」の取締役会長なのだ。

 派遣会社の会長が、政府の諮問会議において労働規制の緩和(派遣拡大等)を推進するのは、明らかに利益誘導である。「自社のために、民間人の立場でありながら、政府を動かし利益誘導している」と批判されても、反論できないはずだ。

 ところが、筆者の指摘に対し、竹中氏は突然、顔を紅潮させ、声を荒らげ、「根拠のない言いがかりだ。失礼だ! 無礼だ!」と、激高した。

 もちろん、例えば、竹中氏が国会議員であるならば、まだしも話は理解できる。国会議員は、国民の主権(票)の束を持ち、国会にいる。しかも、国民は落選させることで、国会議員に失政の責任を取らせることが可能だ。

 それに対し、国家戦略特区諮問会議などの“民間議員”と称する民間人たちについて、国民はコントロールする術を持たない。それどころか、国民の代表である国会議員ですら、諮問会議の民間人の選定に関与することは不可能なのだ。

 これは異常な事態である。現在の日本では、民主主義が成立していないといってもいい。実際、様々な政策が首相の諮問会議に過ぎない「規制改革推進会議」や「未来投資会議」、「国家戦略特区諮問会議」において民間議員により決められている。

 なかでも、我が国の未来に「取り返しがつかない悪影響」を与えることが確実なのが、移民受け入れである。

(下)へつづく

 ***

三橋貴明(みつはし・たかあき)
経世論研究所 所長。東京都立大卒業。NEC、日本IBMなどを経て中小企業診断士として独立。『亡国の農協改革』(飛鳥新社)、『日本は「国債破綻」しない!』(実業之日本社)など著書多数。

週刊新潮 2017年10月26日号掲載

特別読物「『加計騒動』の陰で秘かに成立! 安倍政権『外国移民受け入れ』法の亡国――三橋貴明(経世論研究所 所長)」より

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