安倍内閣ほど移民を受け入れた政権はない――日本を変える“亡国の法”の問題点
安倍政権「外国移民受け入れ」法の亡国――三橋貴明(上)
「北朝鮮」「消費税」そして「森友・加計問題」が問われた2017年の総選挙では、重大な争点が抜け落ちてはいなかっただろうか。日本の姿をガラリと変えてしまう“亡国の法”の問題点を、三橋貴明氏が解説する。
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世間が「森友・加計問題」とやらに時間を費やしていた背後で、日本国を根底から破壊しかねない驚くべき法律が国会を通ってしまったのをご存じだろうか。外国人の就農を可能とする「改正国家戦略特区法」である(2017年6月16日に参院本会議で可決)。
この法律が成立したことで、我が国は初めて外国人を「労働者」として受け入れることになった。農業特区において、外国人を「技能実習生」ではなく雇用契約に基づき受け入れる。より正確に書くと、外国人労働者に対し、国家戦略特別区域「農業支援」外国人受入事業として在留許可を出すことが可能になったのだ。
特区限定とはいえ、我が国が「移民国家化」する第一歩が踏み出されたのである。
もっとも、ご存じのように、すでに全国各地の農地では、外国人が働いている。とはいえ、彼らは「技能実習生」であり、外国人「労働者」ではない。先進国である日本が、アジア諸国から「実習生」を受け入れ、現場で働くことで技能を身に着けてもらう。通常3年、最長5年間の「実習」の終了後は帰国させ、祖国に貢献してもらう。これが技能実習生の考え方だ(建前ではあるが)。
日本はこれまで、外国人労働者、特に単純労働者の受け入れを認めてこなかった。理由は、日本の移民国家化を回避するためだ。「国民国家」である我が国が移民国家に転換する。これは「国の形」の根底にかかわる問題であり、最低でも長期の国民的議論を経る必要があるはずだ。
少なくとも日本は単純労働については「期間限定」という条件を付けてきた。厚生労働省の外国人雇用の届出状況によると、16年10月末時点で、日本で働く外国人は108万3769人。内訳をみると、技能実習生が21万1108人、留学生が20万9657人などとなっている。
留学生も、資格外活動許可を受けることで、週28時間以内を限度とし、アルバイトとして働くことが可能だ。コンビニや飲食産業で見かける外国人店員は、実は留学生なのである。
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