市販のカレールー、するめはご法度… 隠れ動脈硬化を防ぐ「一無二少三多」とは
「一無二少三多」
そうした工夫を積み重ねた末、やむなく投薬治療を始める人もいよう。脂質異常症の治療薬は現在「スタチン系」などLDLの数値を下げる薬と、「フィブラート系」など中性脂肪の数値を下げる2系統に大別される。りんくう総合医療センターの山下静也院長は、
「従来はLDLの値を100mg/dl以下に下げることは難しかったのですが、昨年『PCSK9阻害薬』という画期的な薬が登場したことで、数値を服用前の30〜40%にまで減らせるようになりました」
さらに千葉大大学院の横手幸太郎教授に聞くと、
「LDL値を下げても動脈硬化が進む人はいて、中性脂肪値を下げる重要性が注目されています。ちょうど改良版のフィブラート(ペマフィブラート)の治験が終了し、早ければ年内に発売されます。従来のタイプより効果は高いのですが、昨今、世界では『動脈硬化に効くのか』との証明が求められており、そのために国際的な臨床試験が始まりました。結果は5年程度で出るとみられ、ペマフィブラートにスタチンのように『服用して動脈硬化が減った』というエビデンスが得られれば、大きな進歩となるでしょう」
あらためて先の池田理事長が言う。
「生活習慣病全体を予防すべく、私たちは『一無二少三多』を提唱しています。一無はたばこを無くす(禁煙)。二少は少食、少酒。三多は多動(運動する)、多休、多接(コミュニケーション)。健康を保つためには、質の高い生活が大切なのです」
今からでも、ちっとも遅くはないのだ。
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