外国人観光客にウンザリという人に絶対おススメ 「湯河原温泉」は超穴場

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年々減る観光客

 弘法大師による発見説(諸説あり)、万葉集にも詠まれている日本の名湯の1つ。夏目漱石が絶筆となった「明暗」をこの地で執筆し、島崎藤村、芥川龍之介、谷崎潤一郎なども訪れた文豪御用達だった湯河原温泉だが、

「温泉街は外国人観光客どころか日本人だって年寄りがチラホラいるだけで閑散としています。年寄りだからお金も落としていきませんよね。隣町である箱根と熱海は外国人客が大挙してやってきているというのに、それらに挟まれた湯河原は落ち込んでいるんです。いまや日本中の温泉街に外国人客がやってくるというのに、都心からも近い湯河原だけが年々客が減っているんです」(地元住民)

 国を挙げて観光立国に取り組んでいるというのに……俄には信じられないが。

 湯河原町が毎年まとめている「湯河原街統計要覧」に興味深い数字がある。

 第6章「観光」には“年間観光客”の数が並んでいる。これによると、観光立国宣言が出された03年は日帰客:488万5000人 宿泊客:91万2000人だったが、ここ10年を見ると、

【08年】日帰客:421万7000人/宿泊客:72万6000人

【09年】日帰客:407万2000人/宿泊客:64万2000人

【10年】日帰客:382万7000人/宿泊客:61万4000人

【11年】日帰客:348万5000人/宿泊客:57万7000人

【12年】日帰客:347万3000人/宿泊客:59万9000人

【13年】日帰客:335万人/宿泊客:59万3000人

【14年】日帰客:305万7000人/宿泊客:57万7000人

【15年】日帰客:254万4000人/宿泊客:56万8000人

 数字は日本人客も含めたものだが、一説には外国人観光客は数千人とも……。いずれにせよ、もはや見事と言っていいほど、年々着実に減らしていっているのだ。

■打ち出されたインバウンド計画

 もちろん、湯河原だってこうした状況に手をこまねいているわけではない。全74館で構成される「湯河原温泉旅館協同組合」は、一昨年(15年)に“インバウンド計画”をまとめていた。曰く、

《湯河原は隣接する箱根、熱海に比べると外国人観光客の数が少ない。(中略)そこで、外国人観光客を誘致する上で最大の障害となっている課題がWi-Fiの敷設である。そのため、当事業ではWi-Fi敷設が未実施の旅館については、館内の無線LAN化を推進することとし、すでに館内無線LAN化が整備されている旅館については、洋式トイレへの改装や外国語の看板など、外国人観光客から特に要望の大きい事業を実施することにした……》

 なんだか勇ましいが、無線LANも大切だろうけれど、その前に洋式トイレ、さらにその前に外国語での案内があっていいのではないだろうか--。ともあれ、観光庁の補助金(敷設費用の50%)を得て、湯河原温泉旅館のWi-Fi設置計画は進められたのである。
すでに設置は済んだというが、成果はどうなのか。 

「LANをつけてからも、増えていないんですよねえ。町長らがハワイにまで行ってセールスなどしているんですが、その先が難しいというか……」

 とは、湯河原温泉旅館協同組合である。なぜハワイなのかは不明だが、明るい兆しが見えてきたという。

「今年(17年)は新しい会員制ホテル(エクシブ湯河原離宮)が出来て、こちらのお客さんが年間10万人は望めるんですよ」

 年間10万人とは頼もしいが、残念ながら協同組合には加盟していないという。

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