誕生から50年「リカちゃん人形」秘史 日本人向け5頭身、“幻の姉”の存在も

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幻の姉・リエちゃん

 そしてリカちゃんは72年にモデルチェンジ。2代目の瞳の星はひとつから3つに増え、眉は細く、鼻はやや高くなった。

 ちなみに3代目は82年にモデルチェンジされ、少し垂れ目で、前髪を下ろした赤茶のストレートロングに。

 現行の4代目リカちゃんは87年から30年続いており、顔はやや丸みを帯びて、身長が1センチ高くなっている。

 これらも日本の子供たちの成長、流行が反映されたものだろう。また2代目リカちゃんが発売された72年には、リカちゃんの幻の姉・リエちゃんが世に出る。ママの織江さんがパリに向かう飛行機内で、偶然の再会を果たしたのがスチュワーデスになっていた長女・リエちゃんという設定だ。まるで山口百恵ちゃんの“赤いシリーズ”のような、生き別れになっていた母娘再会の物語。だが、33歳の母に20代の娘は、どう考えても年齢的におかしいとなったのかどうか、間もなく姿を消してしまう。

 またリカちゃんには双子の妹「ミキちゃん・マキちゃん」と三つ子の妹弟「みくちゃん・げんくん・かこちゃん」も生まれる。行方不明のパパと織江さんが、いつ逢瀬を重ねていたのかは定かではない。

 そんなパパが姿を現すのは89年、平成元年のこと。リカちゃん発売当初より長きに亘り行方不明だった香山ピエール氏(36)である。この数年後、日本はバブル経済が崩壊し、会社に忠誠を誓う社員はいなくなった。週休2日制となり、企業戦士だったお父さんが家庭に戻ってきた時期を先取りしている。一昨年、リニューアルした2代目のピエール氏は、なんと育休中である。

 ちなみに、ママの織江さんはすでに6代目で、主役のリカちゃんよりもモデルチェンジのペースは早い。代を重ねるごとに若返る織江さんは、今ではリカちゃんの姉といっても通じるほど若々しい。若いお母さんへの憧れか、若作りのお母さんが増えたからか。

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