誕生から50年「リカちゃん人形」秘史 日本人向け5頭身、“幻の姉”の存在も
半年で50万体の大ヒット
発売されたリカちゃんは大ヒットし、7月の出荷数は4万3200体、8月は6万体、9月は7万5600体……半年で50万体近くを出荷したという。
そもそも製造予定だったリカちゃんのお家「ドリームハウス」(980円)もリカちゃんと同時に発売されたが、当初は販売が伸びず、爆発的に売れたのはこの年のクリスマス商戦だったと聞く。
翌68年にはリカちゃんのお友達「いづみちゃん(初代)」とボーイフレンドの「わたるくん」が発売された。3人はリカちゃんトリオと名付けられ、当時流行っていたGSファッションのものも売り出される。この辺りの流行を取り入れるきめ細かさには脱帽せざるを得ない。
69年になると、「お母さんが欲しい」という子供たちの要望に応える形で、リカちゃんのママ・香山織江さん(33)が発売される。ファッションデザイナーでブティックを経営し一人娘のリカちゃんをけなげに育てている。
70年に入ると、タカラはリカちゃんの初代ユーザー世代のために、大人のリカちゃん「レディリカ」を発売する。スラリと伸びた身体とロングのストレートヘアで、初代のリカちゃんファンが高学年となって、リカちゃんから離れかけた心を引き留めることに成功する。レディリカの本名は北原理香というが、もちろん僕が関わっているわけではない。
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