ジャニーズ事務所非公認「SMAPにありがとう!」を出版したスマオタの執念
孤立したSMAPファンを救え
ムックの著者は「『SMAPにありがとう』委員会」との名義。取材を依頼すると、委員の1人が匿名を条件に応じてくれた。まず出版に至る経緯を訊いた。
「17年はSMAPファンにとっては大変な1年でした。でもSNSを見ると、全国でファンが様々な活動を継続していることが分かります。そして私の友人に30代の女性がいて、一緒にコンサートに行くような仲なんですが、彼女が“SMAPロス”で落ち込んでいたことがあったんです。『SNSを見たら元気が出るかもしれないよ』と励ましたんですが、彼女は『私はガラケーでSNSは使えません』って言うんです」
そこで女性は気づいた。16年にSMAP存続を願う署名活動が行われ、彼女も参加したのだが、その時にインターネットでの署名が極めて少なかったことを思い出したのだ。
「ネットを通じて署名を呼び掛けたのに、ネット署名は6000人ぐらいでした。集まった37万人の署名の大半は肉筆だったんです。そう考えると、SNSと無縁のSMAPファンがいてもまったくおかしくない。今、この瞬間にも、孤立しているファンがいるのだと思うと、いてもたってもいられなくなりました」
無我夢中で仲間に声をかけて委員会を設立。そして企画書を書き上げた。ポイントは2つ。全国のSMAPファンの活動を、できる限り収録する。そして、「SMAPは5人」というシンボルになる付録を用意する――。だが出版社に勤める知人などを足掛かりにして数十社に売り込んだものの、全て断られた。
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