誕生から50年「リカちゃん人形」秘史 北原照久氏がプロデュースした“ハマトラ”リカちゃん
「鑑定団」では値段はつかないが…
06年からの5年間、人形専門博物館「横浜人形の家」で、石坂浩二さんが館長を、僕がプロデューサーを務めた。人形にまつわる様々なイベントを企画する中で、ちょうど生誕40年となった07年に、「リカちゃん夢とあこがれの40年展」を開催した。
40年の歴史を振り返り、初代からの歴代リカちゃんといった僕が持っている資料的なリカちゃんはもちろん、子供たちが遊び込んだリカちゃん200体以上を「思い出のリカちゃん大集合」として展示した。それらのリカちゃんはもちろん服はボロボロ。中には髪型を変えてあげたいと思ったのだろう、髪を切られたリカちゃん、マジックで持ち主の名前が書かれたリカちゃんなどもあった。それらは、古くても新品同様のものに価値を見いだすコレクターや、例えば「開運!なんでも鑑定団」でも、一文の値段もつかないものだ。
しかし、汚れてはいるけれど、着せ替え人形ならではの様々なファッションが一堂に見られる華やかさに加え、子供たちが大切にした想い、一緒に過ごしたしあわせな時間、買ってもらった喜びや、リカちゃんに慰められた思い出、話を聞いてもらえた安心感……が展示されているようで、図らずも感動してしまった。
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