“盤”に埋まっていた40億円 国民栄誉賞「羽生」「井山」の凄さ
「グラウンドにはゼニが落ちている」。そう語ったのは、球界の名伯楽、故鶴岡一人・元南海監督だ。将棋で「永世七冠」を達成した羽生善治竜王(47)と、囲碁で2度目の七冠独占を果たした井山裕太七冠(28)に、国民栄誉賞が授与されることになった。これまでに、2人が「将棋盤」「碁盤」のグラウンドで稼ぎ出した賞金は合わせて40億円に上るという。
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現在、国民栄誉賞は23人の個人と1団体が受賞しているが、棋士の受賞はこの2人が初めてとなる。
まずは、羽生竜王だが、12月5日、前竜王の渡辺明棋王(33)を破り、史上初の永世七冠に。2008年、10年にも永世六冠として竜王戦に挑んだものの、敗退。3度目のチャレンジのすえ、偉業達成となったわけだ。
羽生竜王の凄さは、賞金ランキングにも現れている。
日本将棋連盟は1993年から賞金ランキングを公表しているが、羽生竜王が2位に転落したのは97年と13年の2回のみ。それ以外は、ずっとトップを堅守している。
スポーツ紙の将棋担当記者が解説する。
「93年から昨年までで、羽生さんが稼いだ賞金額は約26億3000万円になります。15歳でプロデビューした85年からの分も足せば、トータルで30億円以上になるのは確実です」
獲得賞金総額の2位は谷川浩司九段(55)で、10億円強だという。やはり、羽生竜王は圧倒的な強さなのだ。
「将棋世界」の編集長も務めた田丸昇九段に聞くと、
「永世七冠は、プロ野球なら三冠王を7回獲得したようなもの。まさに、別次元です。このところ、羽生さんは精彩を欠いているように見えたのですが、20代の頃を彷彿とさせるアグレッシブさが戻った。竜王戦を制したことで、通算タイトルは99冠。羽生さんは永世七冠で満足せず、来春の名人戦を100冠目の勝負の場と見据えているはずです」
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