松居一代「独占インタビュー」――「私が家庭裁判所に電車で行った理由」
家裁の書記官が交通手段を心配
松居 現場は酷い状況でした。真夏に土砂を運び出します。悪臭は大変です。一輪車で水を含んだ土砂を運ぶのは文字通りの重労働でした。
その中で「松居チーム」というボランティアチームが生まれました。リーダーは男性、私は副リーダー。人間不信になって傷ついた心をチームの皆さんに温めてもらいました。被災地で本当の人情に出会ったんです。
連日の作業で体は悲鳴をあげていましたが、17日間、踏ん張りました。朝倉と別れる時は涙、涙で、もう号泣でした。松居チームのみんなが、私に内緒で「絆」というオリジナルTシャツを作ってくれていたんです。私の人生の宝物になりました。
8月20日に東京の自宅へフィアットで戻りました。すると家庭裁判所から書類が届けられていました。提出をしないといけない書類の期日が過ぎていたのです。慌てて担当の書記官の方に、お電話をしました。「書類の提出は郵送で大丈夫です」とのことでしたが、お世話になる身ですので、書面を家庭裁判所まで持参することにしました。
書記官の方から、「当日、松居さんは何でいらっしゃいますか?」と交通手段を尋ねられ、「いつも通りに地下鉄で参ります」と答えました。書記官の方は驚かれたようで、「駐車場も用意できます。お車はいかがでしょうか?」と提案して下さいましたが、私は地下鉄で向かうことを決めていました。まさか、離婚調停の日時がマスコミの方々に漏れるとは夢にも思っていなかったからです。
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