日馬富士暴行事件「髄液診断書」はなぜ偽造扱い? 相撲協会ナンバー2と病院の関係

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 貴乃花親方(45)と白鵬(32)、生き残るのはどっちだ――。現在、角界はこの土俵外の「横綱対決」一色に染まっている感があるが、言わずもがな、ともに日本相撲協会の一員である。畢竟(ひっきょう)、協会を束ねる立場にありながら混乱を収拾できない八角理事長(54)に大きな責任があるのは論を俟(ま)つまい。そんなトップのもとには「策士」と呼ばれる人物がいて、目下、関係者の間で彼の存在が注目されているという。

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「諸君は力士だ。日本の国技と言われる相撲、日本の伝統文化、そして誇りを背負っている」

 先月28日、相撲協会の八角理事長は幕内、十両の力士に対してこう講話した。だが、この説教が、果たしてどれだけ関取たちの胸に響いただろうか。

 なにしろ彼が率いる相撲協会は、貴ノ岩はおろか、その師匠の貴乃花親方からもなかなか事情を聴けずにきて、一方、横綱白鵬に対しても、その狼藉を止めることができていない。つまり八角理事長は、貴乃花親方側から不信の念を抱かれ、白鵬率いる「モンゴル会」からは嘗(な)められているのだ。そんなトップが訓示を垂れても、普通は何の説得力も持たない。

 このような状況では「お上(かみ)」から叱責されるのも当然で、八角理事長はスポーツ庁の鈴木大地長官に、

「大変残念。国民の期待を裏切った。社会的な説明責任を果たしてほしい」

 こう指摘された上で、暴行を把握してから約2週間もこの問題を事実上「放置」していたことに絡んで、

「ガバナンスの、さらなる強化が必要。健全な組織運営を望む」

 と、協会トップとしての資質にダメを出される始末なのだった。それでも、

「八角理事長は『モンゴル勢には太刀打ちできない』と思っている様子で、白鵬を筆頭とする『モンゴル会』のコントロールに、今なおほとほと手を焼いているようにしか映らない」(相撲協会関係者)

 事実、11月30日の相撲協会理事会で白鵬は、九州場所での傍若無人な振る舞いについて厳重注意を受けているが、その後の巡業でも、背中に「モンゴリアン・チーム」と書かれたジャージを着用。「日本」相撲協会に喧嘩を売るような態度を続けていることはご存じの通りである。

 スポーツ評論家の玉木正之氏が嘆く。

「なぜこんなに騒動が長引いているのか。それはトップのガバナンス能力がないからに他なりません。いいか悪いかは別にして、貴乃花親方には理念がある。しかし、八角理事長からは相撲界をどうしたいのか、理念が全く見えてこない。ようやくこれから関係者の処分という話になるわけですが、八角理事長は自らもその対象として律していくべきです。もうお辞めになったほうがいいでしょう」

 こうしたトップを戴(いただ)く組織では、その側近の存在が重要になってくるが……。

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